
武田 信幸

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アメリカのクラウドファンディング代表格「Kickstarter」の上陸
2017年5月18日に話題になったニュースです。
クラウドファンディングの本家本元であるアメリカの「Kickstarter」がついに日本に上陸します。日本版の開始時期は公式サイトでは「this year」とされているため開始時期は未定ですが、日本のクラウドファンディングに新たな方向性が生まれることは必至と言っていいでしょう。
Kickstarterがなぜ話題に?
Kickstarterの日本上陸が話題になっているのは、当然クラウドファンディングの代表格が初上陸ということもありますが、Kickstarterの利用者はKickstarterが参入することで、日本だけでなく世界全体に向けた資金募集がしやすくなると言われているところにもあります。
加えて、これまで商品の法的基準の日本の法律に準拠する必要があったように、法的な問題もあったようです。
Kickstarterが参入することで、日本だけでなく世界全体に向けた資金募集がしやすくなると思われます。出資する側にもメリットがありそうです。たとえばKickstarterで無線通信するガジェットに出資する場合、それが日本の法律上問題ないかを確認するのはこれまでユーザー側の責任でした。
(クラウドファンディングのKickstarter、ついに日本上陸へ _ ライフハッカー[日本版])
クラウドファンディングって何?
そもそもクラウドファンディングって何?という方もいらっしゃるかと思います。
クラウドファンディングとは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である
(クラウドファンディング – Wikipedia)
「クラウド」という言葉は最近良く聞く言葉ですが、ここではネットワークの雲を意味する「Cloud」ではなく、「Crowd=群衆」という意味で使われています。
クラウドファンディングという仕組み自体が最近始まったと思われがちですが、実は日本においては古くは平安時代からあった仕組みだそうで、神社の鳥居を回収する時など住民から寄付を募りそのリターンとして鳥居に寄付者の名前を彫り込んでいたということが伝えられているほど実は日本人にとっても馴染み深いものなのです。
クラウドファンディングの類型
クラウドファンディングには様々な種別があります。
- 寄付型
- 商品・サービス型
- 貸付型
- 事業投資型
- 株式型
5の株式型クラウドファンディングは日本では初めて、日本クラウドキャピタルが「FUNDINNO (ファンディーノ)」というサービス名称で開始するということでこちらも話題になりました。
インターネットを通じて、非上場株式を発行する企業と日本中の投資家を結びつけるクラウドファンディングサービスです。
代表的なサイト
その他の類型で代表的なサイトとして、下記のようなものがあります。
- MAKUAKE(マクアケ)
- CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
- Readyfor(レディーフォー)
- Maneo(マネオ)
- MotionGallery(モーションギャラリー)
- FUNDINNO (ファンディーノ)
商品型、寄付型、事業投資型、株式型等、形態は様々ですが、いずれも商品や見返りのメッセージなどの「リターン」が決められています。
成功時実施型(All Or Nothing型)と 実施確約型
それぞれサイトによって成功時実施型や、実施確約型と呼ばれるプロジェクトの成功を判断する基準が設けられています。
成功時実施型はプロジェクトの目標額を定め、定めた金額に達した場合のみプロジェクトが成功とみなされます。
一方、実施確約型は目標額に満たない場合でもプロジェクトの募集期限が満了すれば募集金額が確定します。
私の活用歴
かくいう私もクラウドファンディングはここ数年利用者としても活用しています。
主に利用するのは「商品・サービス型 」です。「商品・サービス型 」 にはまだ正式に製品化されていない様々な革新的なアイデアの詰まった商品が出品されていて、見ているだけでもワクワクするので、定期的にサイトを覗いています。
昨年、私は下記の商品を購入しました。
ahā!(アッハ) _ 探しモノ発見スマートアクセサリーWistiki
私は自慢ではないのですが出かける時に携帯や財布、定期入れ等、何かしらを忘れることが多いのです。
そんな自分の欠点をテクノロジーが解決してくれるなんて、素晴らしいことだと思いませんか?(笑)
昨年の夏にプロジェクトを見つけて即出資をしましたが、その後到着まで時間を要し、忘れかけていた先月4月にようやく商品が到着しました。
商品が未完成ゆえに開発が遅れることも想定しておかなければならないことを実感する出来事にもなりました。(笑)
起業家のクラウドファンディングの活用方法
私のように購買者として利用する人がいる一方で、クラウドファンディングのプロジェクト主催者として利用することも可能です。
商品型、寄付型などいくつかの形がありますが、ここではクラウドファンディングとしては最も主流である商品型の利用について考察します。
資金調達の一部として
クラウドファンディング様々な形式がありますが、共通しているのはクラウド(群衆)から資金を集めるという点です。
主催者はユーザーからの資金引き換えに、商品をリターンします。
商品が魅力的であればあるほど資金が集まりますが、逆に魅力を訴求できないごく普通の商品やサービスには不向きと言えます。
商品のマーケット調査として
そこで最近利用方法として主流になってきているのが、商品のレビューや市場での受け入れられ方などの調査を目的とした利用方法です。
製造業では商品を作ってみたが思ったより売れない、ということは度々発生します。
クラウドファンディングを使えば、正式な商品化前の段階で市場の反応や改良点などが分かるため事前に商品を大量生産してから売れないという最悪の事態を回避できると共に、非常に有効なマーケット調査にもなりえます。
まとめ
最近、特にニュースが多いクラウドファンディングですが、活用の仕方によっては資金調達+新商品の開発時のマーケット調査など、一石二鳥を狙えるかも知れません。
スタートアップ期の企業でも広く活用出来そうですね。
今後のクラウドファンディングの動きに注目です。