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初期の資金調達方法として一般的になってきた「クラウドファンディング」。しかし、実際に利用を検討する際、意外に種類が多く感じたことはないでしょうか。
本記事ではクラウドファンディングのそれぞれの種類の概要とメリット・デメリットを解説します。
- クラウドファンディングの種類
- クラウドファンディングのメリット・デメリット
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、個人や組織が「実現したい想い」や「実行予定のアイデア」をプラットフォーム上で伝え、不特定多数の人たちに共感してもらい支援を集める方法です。ここでいう支援とは、基本的には金銭的な支援です。
支援を募る人はプロジェクトを考え進めるため、起案者と呼ばれ、起案者のプロジェクトに賛同し、支援する人は支援者と呼ばれます。起案者と支援者を繋げるプラットフォームがクラウドファンディングの各サービスです。
また、クラウドファンディングを行う主な目的として、次のようなものが挙げられます。
- 新規事業を開始するための資金調達
- 商品・サービスのニーズを確かめるためのテストマーケティング
- 自分の想いを実現するために、協力者・支援者を募る
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングの種類は基本的には次の6つです。
- 購入型
- 貸付(融資)型
- 不動産投資型
- 株式投資型
- 寄附型
- ふるさと納税型
購入型
購入型クラウドファンディングとは、起案者の実現した夢や想いを1つのプロジェクトにし資金を募り、それを支援した人がプロジェクトに関わる物やサービスなどのリターンを得られるタイプです。
代表的なサービスとして「Makuake」や「CAMPFIRE」などがあります。
実施方法としては次の2つがあります。
- All In型
- All or Nothing型
All In型
All In型は、設定した目標金額に到達したかに関わらず、集まった金額分だけ受け取ることができます。
All or Nothing型
All or Nothing型は目標金額に到達した場合にのみ全額受け取ることができます。到達しなかった場合は全額受け取ることができません。
貸付(融資)型
ソーシャルレンディングとも呼ばれ、クラウドファンディングの事業者が、複数の支援者から小口の資金を募り、大口化することで企業に融資を行うクラウドファンディングです。
融資という性質上、リターンは金銭的なものになります。一般的な融資同様、利息がリターンになります。
代表的なサービスとして「Funds」や「Bankers」などがあります。
株式投資型
株式投資型クラウドファンディングとは、企業が行う資金調達方法の1つです。起案者は個人ではなく、株式会社となります。未上場企業がプロジェクトを企画し、支援者はプロジェクトに投資をすることで、起案企業の未公開株を受け取ることができる仕組みです。
代表的なサービスとして「FUNDINNO」や「イークラウド」、「CAMPFIRE Angels」などがあります。
不動産投資型
不動産投資型クラウドファンディングも企業が行う資金調達方法の1つです。
株式投資型と同様、複数の支援者から投資を募り、集まった資金で不動産を取得し、運用する仕組みです。
代表的なサービスとして「利回りくん」や「OwnersBook」などがあります。
寄附型
寄付型クラウドファンディングとは、起案者のプロジェクトに対して、社会貢献などの動機から支援者がお金を寄付する仕組みです。
こちらは寄付であるため、基本的には商品やサービスなどのリターンは発生しません。プロジェクトによっては支援者にお礼として写真や手紙が届く場合もあります。
代表的なサービスとして「Readyfor」や「CAMPFIRE」などがあります。
ふるさと納税型
ふるさと納税型クラウドファンディングとは、地方自治体が抱える課題の解決をプロジェクトにし、賛同した人から「ふるさと納税」という形で寄付を募る仕組みです。プロジェクトによっては返礼品が届きます。
代表的なサービスは「ふるさとチョイス」などがあります。
クラウドファンディングのメリット
クラウドファンディング全般的なメリットとして新たな顧客やファンの獲得、拡散性の高さなどがあります。
続いて、各種類のメリットについて紹介していきます。
購入型
購入型のメリットは、市場に出る前の商品やサービスに対して資金が調達できることや、クラウドファンディングに対する反応をみることでテストマーケティングも可能という点です。
貸付型
貸付型のメリットは、自社の信用に応じた金利を設定できるという点です。
また、これまで銀行等の金融機関からの融資枠とは別に借入ができる点や、金融機関とは違った目線で評価される点も上げられます。
株式投資型
株式投資型のメリットは、短い期間で資金調達が可能なことです。基本的に1〜3ヶ月で行うことができると言われています。
また、株式投資型は1人の支援者が1つの企業に投資できる金額は年間50万円までと決まっているため、1人の支援者に大幅に経営権を取られにくい仕組みになっています。
不動産投資型
不動産投資型クラウドファンディングは、不動産事業に限れられるものの、支援者は少ない額から不動産投資を行うことができるという利便性から、大きな資金が集めやすいことが特徴です。
寄附型
寄付型のメリットは、クラウドファンディングのサイトに登録している関心の高い人を含めた不特定多数の人にリーチでき、寄付してもらえる点です。
ふるさと納税型
ふるさいと納税型のメリットも寄付型同様で、クラウドファンディングのサイトに登録している関心の高い人を含めた不特定多数の人にリーチでき、寄付してもらえる点です。
クラウドファンディングのデメリット
続いて、各種類のデメリットについて紹介していきます。
購入型
購入型のデメリットは、商品開発に必要な資金が集まらない可能性があるという点です。
All or Nothingを選択して目標金額に満たない場合、プロジェクトが実行できないというリスクがついてます。さらに、資金調達までの期間も数ヶ月あるので、事前に計画を立てて、目標金額を達成できるように準備する必要があります。
貸付型
貸付型クラウドファンディングのデメリットは、扱う金額が大きいことから、プロジェクトを立ち上げられる企業への事前の審査も厳しいということです。
現時点では、事業実績のない会社がプロジェクトを立ち上げることは実質的に難しく、プロジェクトを開始することもできない点に注意が必要です。
株式投資型
株式投資型のデメリットは、通常の個人向けクラウドファンディングとは異なり、株式会社でないとプロジェクトを立ち上げることすらできません。
購入型等に比べて、プロジェクトを開始する前の審査や手続きの負担が重いことには注意が必要です。
多数の株主がいる状態となり、管理コストが発生するという点も挙げられます。
不動産投資型
不動産投資型クラウドファンディングは、対象が不動産に限定されることはもちろん、扱う金額が大きいことから、プロジェクトを立ち上げられる企業への事前の審査も厳しいものになり、現時点では、実績のない会社が立ち上げることは実質的に難しい仕組みになっています。
寄附型
寄付型のデメリットは、寄付であるが故に支援者に対して市場価値のあるリターンを設定できず、支援者の対象が狭まるという点です。
ふるさと納税型
ふるさと納税型のデメリットも寄付型同様に、寄付であるため支援者に対して市場価値のあるリターンを設定できず、支援者の対象が狭まるという点です。
クラウドファンディングの注意点
クラウドファンディング利用にあたって主に次の2つに注意する必要があります。
- 目的を明確にしておく
- 各サービスの特徴を理解しておく
クラウドファンディングにおいて重要なことの1つは、いかに自分の想いや考えを伝えることができるかという点です。多くの人に共感・賛同してもらうことによって成り立つ仕組みということを覚えておきましょう。
また、それぞれのサービスによって得意とする分野や手数料、サポート体制なども異なります。このような違いを明確に理解し選択することが重要です。
クラウドファンディングのデメリットまとめ
本記事では、クラウドファンディングの種類や種類ごとのメリット・デメリットについて解説してきました。
クラウドファンディングの主な目的は、
- 新規事業を開始するための資金調達
- 商品・サービスのニーズを確かめるためのテストマーケティング
- 自分の想いを実現するために、協力者・支援者を募る
でした。
実際に利用する際には、それぞれの特徴を理解して、自身が起案するプロジェクトに合ったサービスを選びましょう。