若林 哲平
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定款は会社設立時に作成するものですが、株式会社や合同会社など会社の種類によって記載すべき内容が異なり、記載漏れがあると受理されません。
そこでこの記事では、合同会社の定款を作成する方法、記載すべき事項について解説します。
会社設立の流れや費用については「会社設立の流れから費用まで。会社設立に関するあれこれをまとめました。」で解説していますので参考にしてください。
そもそも定款とは?
定款とは会社の基本情報や規則などが記載された「会社のルールブック」です。
定款は会社設立時に作成するものですが、株式会社や合同会社など会社の種類によって記載すべき内容が異なり、記載漏れがあると受理されません。
そこでこの記事では、合同会社の定款を作成する方法、記載すべき事項について解説します。
定款の作り方
定款を作成する際には紙媒体と電子媒体で作成する方法を選べます。
しかし、それぞれにかかる費用・作成の手間が異なるため、コストパフォーマンスを考えて、自社に合う方法を選ぶことが重要です。
とくに合同会社の定款は、公証人による認証を受ける必要がないため、収入印紙代として4万円がかからないことに注意が必要です。
紙媒体で作成する場合
定款を作成する
株式会社では必ず行われる定款認証は合同会社では行われず、定款作成後はそのまま法務局へ提出することになります。万が一定款の内容に不備が生じていた場合は、無効となる可能性があるため、誤字脱語や記載漏れ、記載内容に問題ないかを再度確認が必要です。
表紙を作成する
表紙には、正式な会社名を記載し、右下に定款作成日を記載します。また、会社設立の日付は設立登記が完了した後記入するため、空白で問題ないです。
定款に発起人全員の実印を押す
表紙をつけてホチキスで綴た後は、各ページの見開き部分に発起人全員の実印を押します。
保存用定款を作成する
定款は「会社保存用原本」と「登記所提出用謄本」がそれぞれ必要となるため、同じ内容のものを2部作成します。以上で完成です。
電子媒体で作成する場合
電子定款とは定款を電子ファイル形式(PDF)で作成したものです。
電子定款を作成する際は、PDF作成ソフトやICカードリーダーライタなどの購入費用は必要です。ソフトやカードリーダーを購入せずに電子定款を作成する方法としては、司法書士などのプロに依頼する方法があります。
ここではプロに依頼せず自分自身で作成する方法を解説します。
電子定款を作成する際に用意するのものは以下の通りです。
- マイナンバーカード
- ICカードリーダーライタ(マイナンバーカード読み取り用)
- PDFを作成するためのソフト
- PDFに電子署名を付与するためのソフト
次に、電子定款の作成手順は以下の通りです。
定款を作成する
紙媒体と同様に定款を作成します。
定款をPDF化する
公証役場で定款の中身を確認後、Adobe AcrobatなどのPDF変換ソフトを使用し定款をPDF化します。
PCに電子証明書を読み込む
PDF化した定款に電子署名をつけるための電子証明書はマイナンバーカードのICチップの中に保管されています。そのため、ICカードリーダライタを使用してPCに電子証明書を読み込みます。
定款に電子署名を付与する
PDF化した定款に署名プラグインソフトを使用して電子署名を付与します。Adobe Acrobatを利用していた場合は、PDF署名プラグインソフトを使用してPDFに電子署名を付与することができます。以上で電子定款の完成です。
電子定款のメリットは、紙媒体には必要な印紙代(4万円)がかからないことです。一方、デメリットとなるのは定款作成の機器類もしくは、司法書士への作成代行費用です。いちからすべてを揃えると収入印紙代と同等の費用がかかってしまうため、機器を揃えるくらいであれば、司法書士に依頼した方がよいと考えられます。
定款の内容
定款の内容は大きく分けて、絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項の3種類です。
合同会社の定款は、株式会社の定款よりも自由度が高いものですが、正確に記入すること会社独自のルールは漏れなく詳細に記載することの2点に注意する必要があります。
絶対的記載事項
絶対的記載事項は、定款に必ず記載しなければいけない事項です。万が一、記載するのを忘れてしまうと定款が無効となってしまいます。
絶対的記載事項として定める事項としては以下の6つがあります。
- 会社の商号(名称)
- 会社の事業目的
- 本店の本店所在地
- 社員(出資者)の氏名、及び住所
- 社員全員が有限責任社員であること
- 社員の出資する目的とその価額
相対的記載事項
相対的記載事項は、必ず記載する必要はないが、定款で定めておかなければ規則として効力が認められない項目です。定めておくと運営しやすいルールを自社の事情に合わせて定めることができます。
相対的記載事項に該当する事項としては、以下のようなものがあります。
- 業務を執行する社員を定める場合の定め
- 代表社員を定める場合の定め
- 利益の配当に関する事項の定め
- 社員の退社に関する定め
- 会社の存続期間の定め
任意的記載事項
任意的記載事項は、会社の運営のために自主的に追加した事項です。定款に記載されると、法で定められた手順に沿って変更する必要があり、規則として強い拘束力を発するようになります。
任意的記載事項に該当する事項としては、以下のようなものがあります。
- 営業年度(決算期)
- 公告の方法
- 利益配当の定め
- 社員の損益分配割合の定め
- 残余財産分配の定め
合同会社の定款まとめ
そもそも定款とは会社の基本情報や規則などが記載された「会社のルールブック」でした。
定款を作成する際には紙媒体と電子媒体で作成する方法を選ぶことができ、それぞれにかかる費用・作成の手間が異なるため、自社に合う方法を選ぶことが重要です。
また、定款の内容は大きく分けて、3種類ありました。
- 絶対的記載事項
- 相対的記載事項
- 任意的記載事項
会社独自のルールを正しく運用するためには、定款の正しい作成が必要です。漏れなく記載して完璧な定款を作り上げましょう。
定款の作成がご不安な経営者の方や登記を依頼する司法書士の心当たりのない方は、一度お気軽にINQにご相談ください。
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