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従業員名簿とは、従業員の氏名や採用日など企業が従業員の持っている情報をまとめた書類のことを指します。従業員名簿の書き方、注意点、保存方法などしっかりと押さえておくことが大切です。そこで本記事では、従業員名簿の詳細を解説します。
- 従業員名簿とは
- 従業員名簿の書き方
- 従業員名簿の保存方法・保存期間
従業員名簿とは
従業員名簿は従業員の氏名や採用日など企業が従業員の持っている情報をまとめた書類のことを従業員名簿と言います。
従業員名簿は、会社の売上や従業員数に関係なく、従業員を抱えている企業は労働基準法第107条によって作成する義務があります。
従業員名簿の記載項目の解説
従業員名簿の主な記載項目は以下の9点です。
- 氏名
- 生年月日
- 履歴
- 性別
- 住所
- 従事する業務の種類
- 雇入の年月日
- 退職の年月日及びその事由
- 死亡の年月日及びその原因
履歴
社内での異動や昇進などを記載します。
従事する業務の種類
「営業」「経理」「販売店員」「配管工」など、社内での業務や役割がわかるように記載します。従業員が常時30人未満の企業は記載不要です。
雇入れの年月日
採用が決定した日ではなく、実際に雇用が開始された日を記載します。
退職の年月日及びその事由
従業員の都合による退職の場合は、退職理由を記載する必要はありません。しかし、会社側から従業員を解雇した場合は、解雇した理由を記載する必要があります。
死亡の年月日及びその原因
死亡した場合は、合わせて死亡の原因を記載しなければなりません。
従業員名簿は上記の9点を満たせば様式は決まっていません。電子媒体での従業員名簿の作成も認められているので、安全に管理しやすいものを選択しましょう。
従業員名簿の書き方
従業員名簿を一から作成するのが面倒な方は厚生労働省が用意しているテンプレートを利用してみるのはいかがでしょうか。厚生労働省のサイトから従業員名簿のテンプレート「様式第19号」をダウンロードすることができます。
テンプレート「様式第19号」を使った従業員名簿の書き方はこちらの記事にある見本をご参照ください。
従業員名簿作成時の注意点
従業員名簿を記載する際に注意しなければならない点がいくつかあります。ここでは、それらについて詳細に解説していきます。
事業所ごとに作成
従業員名簿は人事部や総務部のもとで作成・保管するのではなく、支社や工場、店舗などといった事業所ごとに整備します。また、原則として同じ場所で作業していれば、一つの事業所とみなされますが、同じ場所であっても労働状態が異なる場合では別の事業所とみなされるため、注意が必要です。
記載すべき従業員の対象
労働基準法第107条と第9条より、賃金を支払っているすべての従業員を名簿に記載する必要があります。アルバイトやパートタイムの従業員に関しても同様です。一方で、派遣先の企業で仕事をする派遣社員に関しては、派遣会社が作成します。また、日雇い労働者の場合は記載義務はありません。
それぞれの記載するべき従業員の対象は決まっているので雇用形態ごとの特徴を押さえておきましょう。
個人情報の取り扱い
従業員名簿には、従業員の個人情報が記載されているため、個人情報保護法の観点から、従業員から同意を得る必要があります。個人情報の取り扱い方法をしっかりと定めて、流出することがないようにプライバシー保護に努めましょう。
従業員名簿の保存
先ほどお話ししたように従業員名簿は個人情報が詰まったとても重要な書類です。作成した従業員名簿の保管方法や保管期限について解説していきます。
保存方法
労働基準法では、従業員名簿は紙での保管は義務付けられていません。そのため、会社により保管方法はさまざまで、ExcelやPDFなどの電子データで保存している会社も多くあります。しかし、行政解釈では、すぐに印刷・表示できる状態を作っておくこととが必要となるため、従業員名簿をパソコンで作成、更新し、各事業所でプリントアウトできるようにしておく必要があります。
保存期間
保存期間は労働基準法第109条によって「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を三年間保存しなければならない」と定められています。保管期間は、労働者の死亡・退職・解雇の日を決算日とし、そこから3年間とされています。
従業員名簿のまとめ
今回の記事では従業員名簿の概要、書き方、保存方法を解説しました。
従業員名簿とは「従業員の氏名や採用日など企業が従業員の持っている情報をまとめた書類」のことでした。
そして、従業員名簿の記載項目は以下の9点でした。
- 氏名
- 生年月日
- 履歴
- 性別
- 住所
- 従事する業務の種類
- 雇入の年月日
- 退職の年月日及びその事由
- 死亡の年月日及びその原因
また、従業員名簿の保存方法と保存期間は以下の通りでした。
保存方法
- 保管方法はさまざまで、ExcelやPDFなどの電子データでも可能
保存期間
- 労働者の死亡・退職・解雇の日を決算日とし、そこから3年間
従業員名簿は法律上重要な書類となっており、日常業務においても使用されます。従業員名簿のポイントをしっかりと押さえておきましょう。