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将来的に起業を検討している方には、「まずは働いて自己資金を貯め、その後起業する」という方は多いかと思います。しかし、実際に働く先を探し、募集内容を比較検討する際に正社員以外にも契約社員など雇用形態が複数あり、どれが適しているか悩まれる方は少なくないのではないでしょうか。
本記事では、正社員と契約社員の違いについてメリット・デメリットを踏まえて解説していきます。
- 正社員・契約社員の定義
- 正社員・契約社員のメリット・デメリット
正社員と契約社員とは?
正社員と契約社員それぞれの定義についてみていきます。
正社員とは?
正社員とは、終身雇用を前提に雇用期間を定めずに労働契約を交わした正規社員のことです。雇用保険や社会保険への加入が義務付けられているなど、非正規社員より保護されているといえます。
また、賞与(ボーナス)が支給されることや退職金が支給される場合もほとんどで、比較的安定している雇用形態です。
契約社員とは?
契約社員は法律上、存在する名称ではありません。一般に雇用期間に定めのある「有期労働契約」を交わした非正規社員のことです。
企業が契約社員を必要とする背景として
- 繁忙期などで一時的に人手を必要とする場合
- 人件費を変動費化したい場合
- 地域や職種などを限定している場合
などが挙げられます。
5年ルール
雇用期間に定めのある「有期労働契約」を結んでいる契約社員ですが、雇用期間が決められていない「無期契約」にできるようになりました。それが「5年ルール」と呼ばれる制度です。5年ルールとは、有期契約期間が通算5年を超えて契約が結ばれた際に、本人が望めば以降の契約を「無期契約」にできる制度です。ただ無期契約への更新は自動的にされるのではなく、本人から企業に対して通知する必要があります。
また、無期契約になることは雇用期間が有限でなくなることであって、正社員と同様の待遇になるかどうかは企業次第というのが実情です。
正社員と契約社員の4つの違い
今まで述べてきた正社員と契約社員ですが、以下のような点で具体的な違いがあります。
- 雇用期間
- 勤務地
- 昇進・昇給
- 退職金
雇用期間
正社員は雇用期間に定めのない「無期契約」であり、契約社員は雇用期間が定められている「有期雇用契約」です。契約社員の雇用期間は原則3年と定められています。また、雇用期間の5年ルールについては前述の「5年ルール」をご参照ください。
勤務地
勤務地に関しては、正社員は企業の方針などにより転勤の可能性があります。一方で、契約社員は転勤の可能性はありません。
昇進・昇給
昇進・昇給に関しては、正社員は昇進や昇給はありますが、契約社員は基本的には昇進や昇給が行われることはありません。
退職金
退職時に支給される退職金も、正社員の場合は支給されることがほとんどですが、契約社員の場合は基本的には支給されません。
正社員のメリット・デメリット
正社員のメリット・デメリットそれぞれについてみていきます。
正社員のメリット
正社員で働いた場合のメリットは次の3つです。
- 収入が安定している
- 雇用が安定している
- 社会的信用を確保できる
収入が安定している
正社員であれば、月々の給料は勿論ですが、昇給の機会や賞与を支給されることもあります。
また、退職する際には退職金を支給されます。このように他の雇用形態と比較して収入は安定しています。
雇用が安定している
前述の通り、正社員は雇用期間の定めがありません。
自身で退職するか、会社の経営状況が悪化するなどない限り雇用され続けます。他の雇用期間が決まっている雇用形態と異なり、新たな職を探す心配の必要がないです。
社会的信用を確保できる
正社員として働くと、収入や長期間の雇用が保証されているとみなされ社会的な信用度が高まります。
例えば、クレジットカードや住宅ローンの審査においては正社員であるかどうかが重視されます。
正社員のデメリット
正社員で働いた場合のデメリットは次の2つです。
- 自由度が低い
- 仕事の責任が重い
自由度が低い
業務内容や働く環境において制限があります。
業務内容に関しては、必ずしも自分が求める業務内容をやれるとは限りません。大企業であれば、希望の部署に配属されずにやりたい仕事につけないというケースも往往にして起こります。
働く環境に関しては、異動や転勤の可能性があるということです。こちらも大企業になると、自分の意思とは関係なく、別の事業所へ転勤したり、別部署へ異動したりする可能性があります。
以上の2点から他の雇用形態と比較して、自由度が低い傾向にあります。
仕事の責任が重い
正社員は長期的に会社の利益を優先に働くことを求められます。また、会社にとって重要な仕事を任される場合も多く、その分期待されています。そのため、負うべき責任も重いものとなります。
以上のようなメリットデメリットから次のような人が正社員に向いているといえます。
- 安定を重視する人
- 一つの仕事を極められる人
契約社員のメリット・デメリット
契約社員のメリットデメリットそれぞれについてみていきます。
契約社員のメリット
契約社員で働いた場合のメリットは次の3つです。
- 特定のスキルを活かせる
- 様々な職場を経験できる
- 責任の範囲が狭い
特定のスキルを活かせる
契約社員は募集時点で業務内容が定められており、基本的にはその業務のみ行います。そのため、自分の持っているスキルを最大限に活用した働き方を選択しやすいといえます。
様々な職場を経験できる
契約社員は、一つの会社での契約が満了後は次の会社を探し新しく働くことになるため、様々な職場を経験することができます。
また、家族の転勤に合わせて働きたいなどの場合にも有効な働き方です。
責任の範囲が狭い
契約社員は有期雇用契約で、期間や仕事内容が決められているため、特定の業務のみを行うなど定められた範囲内での業務になるのが一般的です。そのため、正社員と比べて大きな責任を負う必要がないといえます。
契約社員のデメリット
契約社員で働いた場合のデメリットは次の2つです。
- 収入が安定していない
- 社会的信用が低い
収入が安定していない
正社員では昇進や昇給の機会や賞与の支給がありますが、契約社員ではあまりありません。また、契約期間が満了になると、新しい仕事を見つけるまでの間、収入が不安定になります。
社会的信用が低い
契約社員は長期的な雇用や収入の安定性が見込まれないことから、社会的な信用度が低くみられます。そのため、住宅ローンの審査など長期間の支払いを必要とする際に不利な雇用形態です。
以上のようなメリットデメリットから次のような人が契約社員に向いているといえます。
- プライベートと仕事の両立をしたい人
- 決められた業務を確実に遂行したい人
- 様々な職場でスキル・経験を積みたい人
正社員と契約社員の違いまとめ
本記事では、正社員と契約社員の違いについてメリット・デメリットを含めまとめました。
今回紹介した正社員、契約社員どちらの方が優れているというのは一般的にはありません。それぞれの特性を理解した上で、現在の事情に加え、長期的な視点に立ち適している雇用形態を選択するのが重要です。