若林 哲平
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日本政策金融公庫の新創業融資等で融資を受ける場合、代表者個人の通帳を提出します。
そのことを起業家の方にご説明すると、多くの方はびっくりされます。「え、何で?」というのが本音のようです。
実際、私も創業期に自分が日本政策金融公庫から融資を申し込んだ際、通帳の提出を求められて若干動揺しました(苦笑)。
日本政策金融公庫の新創業融資の進め方については「創業融資の進め方ガイド【2022年最新保存版】」で詳しく解説しています。
意外に重要な通帳確認
せっかく起業のために培ってきた営業力や人脈、温めてきたサービスやビジネスモデルも、通帳確認という思わぬ落とし穴で台無しになってしまうリスクがあります。そうならないよう、起業や融資をお考えの方はぜひ御覧ください。
通帳確認が必要な理由
なぜ創業融資において、代表者個人の通帳の確認が必要なのでしょうか?
融資の審査は原則的には会社の通信簿である決算書をベースに行われます。しかし、創業融資においては、決算書がありません。そこで、創業融資においては、
- 代表者の定性面
(数値化できない側面⇔定量面) - 事業計画書の内容
が重要視されます。
代表者の定性面が重要
では具体的に代表者の定性面はどのように評価されるのでしょうか?
代表者の諸支払振りの確認
金融機関は、代表者個人の通帳を起業前3〜6ヶ月程遡って確認をすることにより、代表者の公共料金や家賃、税金等の諸支払い状況を確認します。公共料金等の支払いがきちんとしている方であれば「地に足をつけて生活をしている方」という印象になると思われます。
一方、収入は多いものの月末には口座が空に近く公共料金等の支払いが落ちていない場合には「ちょっとルーズでお金遣いの荒い方」という印象になると思われます。
そのような観点から金融機関は「もし貸した場合にちゃんと返してもらえる人か?」を判断します。
通帳による自己資金の準備状況の確認
創業融資において自己資金は非常に重要ですが、現金で蓄積していたり、ある日突然降って沸いたように銀行口座に入っていても自己資金として評価されない場合があります。
手堅く、事業に必要な額の資金を継続的に準備されてきた方は、当然に定性的な評価は高くなります。
金融機関は通帳を確認することにより、どのように創業のために資金的な準備をされてきたのかを判断します。
まとめ
「カードローンやキャッシングで◯百万円の借入があります。」というケースでも、通帳上、それらを返済するのに足りるだけの収入(入金)があり、借入の返済が遅滞なくなされていて、生活の収支に問題がない場合には、創業融資を受けられるケースがあります。すべては定性面・定量面の両面による総合判断です。
逆にいうと、総合判断ですので、通帳確認の重要性など事前に需要なポイントを把握しておけば、弱点を事前にカバーし、総合的な評価を高める(改善する)ことも可能です。