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あくまでもリアルの世界にこだわりたい
ー これから、色んな展開がイメージ出来てすごく楽しみなんですが、これだけは守っていきたいという方向性みたいなものはありますか?
(黄木)ARCミラーは最新技術を使ってますけど、僕らは、最新技術を使って現実世界に一回揺り戻すということにはこだわりたい。
今はどこへ行っても、みんなスマホばっかりいじって、デジタルの世界に入り込んでる人っていっぱいいると思うんです。
だからこそデジタルの技術を使いながらも、現実世界の素晴らしさをもう1回考え直してもらうというか、体感してもらいたい。
(田巻)もちろんこのデジタルなプラットフォームなので、ゲーム性の要素を追加したりとか、楽しむ仕組みというのは必要だと思うんですけど。
でも、ただその中で高得点出して楽しいとかじゃなくて、持ち帰ったときに自分の何かがプラスになっているというのが僕らの目指す価値提供ですね。
楽しむのが最終目標じゃなくて、やっぱりその人のスキルを上げるというところにこだわりたい。
ー なるほど、最初の、スノボアプリに通じるものがありますね。あくまでも充実させるのはリアルの世界。
(田巻)会社名がFunLifeなので、楽しけりゃいいみたいに聞こえる場合があるんですけど。
僕らはやっぱり、新しいスキルを身に付けることが充実感というか達成感、楽しいというふうにつながると思ってて。
ただ遊んで楽しいじゃなくて、やっぱり自分のスキルを上げて、ああ、俺頑張ったなとか、その充実感をFunとして定義しているんですね。
(黄木)充実感だとか、あとは頑張っていて苦しいときとかもあると思うんですけど、それも含めてFunだと思うので。
ー 製品のお披露目後、その後の反響はいかがですか?
(黄木)今年(2017年)の10月9日に、第一号機が子供向けのトレーニング教室に試験導入されます。
ジャンプ力、回転力、バランス力とか、基本的な能力を上げていこうという教室なんですが、そのコンテンツをこの前撮影して、今ミラー上で体験できるようにコンテンツを作り込んでいる最中です。
身体のモーションのNetflixになりたい
ー 最後に今後の展望について教えてください。
(田巻)ARCミラーもそうなんですけど、別にこの形にこだわっているわけではないんですね。
僕らが商品として売っているものが、人間の身体の動き、正しい動きというものなので、誰でも何かできるようになりたいと思ったときに来る場所が、FunLifeでありたいと思っています。
フリーキックを入れられるようになりたいなとか、ジャグリングができるようになりたいなとか、道場六三郎みたいな料理を作れるようになりたいなとか、人間の身体の動きが絡むものであれば、何でもARCミラーで知ることができる。
身体の動きって考えると、別に料理であれ、伝統工芸であれ、リハビリ医療の分野であれ、いろいろ使える幅は広いんですよね。
そのデータベースというか、そこにFunLifeありみたいな形が作れれば一番良い。
(黄木)例えば伝統工芸とかだと、そういう技術って、属人的なものじゃないですか。
人間国宝の方が亡くなられたりした時、その人だけしか持っていない技術って、亡くなると失われちゃうんです。
人類ってそういうふうに、自分たちで書物に残してきたものもあれば、その身体の動きがかなり関係する部分が失われたことっていうのは結構あるなと。
このような全ての身体の動きを保存して、データベースだったり、図書館のような、Netflixのような、体の動きのライブラリーを作りたいですね。
(田巻)誰でもそこにアクセスして、そこで見られる、そういうふうな形にすれば、今まで人類が失っていたものを、ずっと保管しておける。
それって文明にとっても、文化にとっても、すごい重要だと思うんですね。
今後は、ARCミラーを皮切りに、色々やっていきたいです。
ー 今日はどうもありがとうございました。
取材後記
最初から最後まで、お二人のパワフルなお話に、圧倒されっぱなしの1時間でした。
「AR(拡張現実)技術を使うけれども、あくまでもバージョンアップさせていくのは、現実の自分自身」
という視座が、とてもすがすがしく、正統派だからこそ、多くの人々の心を動かすんじゃないかと思います。
行政書士法人INQは、これからも、株式会社FunLifeのお二人を全力で応援させて頂きます!
田巻さん、黄木さん、本当に有難うございました!