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個人事業主を廃業する理由として、家庭の事情や業績悪化などが挙げられます。なかでも、法人成りする場合にも廃業届の提出が必要なのは盲点ではないでしょうか。
この記事ではこれから法人成りする人も参考にできる「個人事業主を廃業するタイミングや手続き」について解説します。
- 個人事業を廃業する際の手続き
- 個人事業を廃業する適切なタイミング
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廃業とは、それまで行っていた商売や職業を辞めること。個人事業主の廃業とは、個人事業主として行っていた事業を理由を問わず辞めることと言えます。
個人事業主を開業した時と同様に、廃業時にも国や都道府県に廃業届を提出して事業をやめることを申告する必要があります。
廃業の手続き
個人事業主を廃業する際に提出する書類は、次の6つです。
- 個人事業の開業・廃業等届出書の提出
- 消費税の事業廃止届出書の提出
- 青色申告の取りやめ届出書の提出
- 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書を提出
- 個人事業税の事業廃止届出書
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書の提出
国や都道府県にこれらの書類を提出することで、事業を廃止したこと、それに伴って徴収義務と納税義務がなくなった旨を報告します。
また、全員が6つすべての書類を提出する必要はありません。青色申告をしていない方や従業員を雇っていない方などは提出する書類が少なくなります。
詳細については「個人事業主の廃業届とは?必要となるケースと手続き内容を詳しく解説!」をご参照下さい。
廃業した年の確定申告は必要か
結論から述べると、事業を廃業した年も前年までと同じように確定申告は必要です。
特に、廃業後の確定申告については、廃業した日以降に発生した費用を経費として計上できるかがポイントになります。
基本的には廃業日で事業を終えたことになるので経費にはなりません。しかし、所得税法第63条「事業を廃止した場合の必要経費の特例」によって経費として認められる可能性があります。
ただし、各税務署によって判断が異なることや、確定申告後の更生の請求期間が短いことなどが問題となります。そのため、廃業届の日付をできるだけ年末に近く設定して、必要経費は事業継続期間中に精算することが良いと考えられます。
詳細については「法第63条《事業を廃止した場合の必要経費の特例》関係|国税庁」をご参照下さい。
廃業する際の費用
個人事業主の廃業届を提出して、廃業を国や都道府県に申告することに費用はかかりません。
しかし、廃業の際に次のような費用がかかるケースがあります。
- 在庫・備品の処分
- 従業員への退職金
- 事務所の片付けや原状回復
これらの費用は事業内容や廃業のタイミングによって個人差がありますが、廃業には多少の費用がかかるため、ある程度資金に余裕を持った状態で廃業することが理想的です。
具体的な費用についてさらに詳しく知りたい方は、「2019年版 小規模企業白書」廃業の費用総額をご参照下さい。
事業廃業の適切なタイミング
個人事業を廃業するタイミングには次の2つのポイントがあります。
- 廃業届の提出時期を守る
- 廃業日を年末に設定する
廃業届の提出時期を守る
廃業届は個人事業を廃業した事実があった日から1ヶ月以内に、所轄税務署へ提出しなければなりません。廃業を決めてからは事業の後始末や事務所の原状復帰など気分が乗らないことが多いかもしれませんが、最後まで着実に進めていきましょう。
廃業日を年末に設定する
また、確定申告の説明でも述べた通り、廃業日以降の費用は経費にできない可能性があります。そのため、廃業日を個人事業主の決算日である12月31日にできるだけ近いほうが、適切に経費にできると考えられます。
廃業時の注意点
廃業にあたっての注意点は次の2つです。
- 廃業届は忘れず提出する
- 廃業の相談は公的窓口を利用することができる
廃業届は忘れず提出する
廃業届の出し忘れによる罰則などはありません。しかし、廃業した事実を国や都道府県が把握できていないため、廃業しているにもかかわらず納税の義務が生じる場合があります。
廃業届の提出期限を過ぎた場合でも、気づいたときには可能な限りはやめに提出しましょう。
廃業の相談は相談窓口を利用することができる
廃業時には次のような相談窓口を利用できます。
- よろず支援拠点
- 経営安定特別相談室
- 金融機関・信用保証協会
廃業以外にも事業継承などの選択肢を考えている人は、このような相談窓口で専門家に相談することができます。気になる方は、ぜひ一度ご利用してみてはいかがでしょうか。
個人事業主の廃業についてのまとめ
個人事業主の廃業とは「個人事業主として行っていた事業を理由を問わず辞めること」でした。
個人差はありますが、個人事業主を廃業する際に提出する書類は次の6つがありました。
- 個人事業の開業・廃業等届出書の提出
- 消費税の事業廃止届出書の提出
- 青色申告の取りやめ届出書の提出
- 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書を提出
- 個人事業税の事業廃止届出書
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書の提出
また、廃業した年も確定申告をする必要があるため、廃業日は決算日に近づけると良い理由を説明しました。
さらに、廃業にかかる費用や廃業の適切なタイミング、注意点にも言及しました。
個人事業主の廃業を考えた時は、今回の記事を参考にしていただけると幸いです。
また、会社の廃業について知りたい方はいると思います。
詳細については「会社廃業の手続きは?解散と精算について解説します。」をご参照下さい。