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スタートアップに人気のある補助金の一つ「ものづくり補助金」。
名称から製造業に特化した補助金だとイメージしがちですが、製造業だけでなく、サービス業や農林水産業など多くの業種で利用できる補助金です。
しかし、利用したいと思う一方で、自社が申請要件を見たしているかわからないなどの悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではものづくり補助金の概要や対象、次回申請スケジュールについて解説します。
なお、INQの武田が、YouTubeでものづくり補助金について解説しています。ぜひご覧ください。
- ものづくり補助金の対象
- ものづくり補助金の補助金額
ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金とは「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の略称であり、ものづくりやサービスの新事業を創出するために、革新的な設備投資やサービスの開発、試作品の開発などをサポートするための補助金です。
ものづくり補助金は5つで構成されています。
- 一般型(通常枠)
- 一般型(回復型賃上げ・雇用拡大枠)
- 一般型(デジタル枠)
- 一般型(グリーン枠)
- グローバル展開型
一般型(通常枠)
一般型(通常枠)とは、中小企業・小規模事業者の革新的サービスや試作品の開発、あるいは生産プロセスの改善を行うための設備投資などに対する補助金です。
一般型(回復型賃上げ・雇用拡大枠)
一般型(回復型賃上げ・雇用拡大枠)とは、業況が厳しいながら賃上げや雇用拡大を行う事業者の、取り組みに必要な設備やシステム投資などを支援する類型です。
一般型(デジタル枠)
一般型(デジタル枠)とは、DXに関する製品・サービスの開発、もしくはデジタル技術を活かした生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上等に必要な設備やシステム投資などを支援する類型です。
一般型(グリーン枠)
一般型(グリーン枠)とは、温室効果ガスの排出削減に寄与する革新的な製品・サービスの開発、もしくは炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援する類型です。
グローバル展開型
グローバル展開型とは、中小企業・小規模事業者が海外事業の拡大や強化を目的として行う「革新的サービスや試作品の開発」、あるいは生産プロセスの改善の設備投資などに対する補助金です。
ものづくり補助金の対象者
ものづくり補助金の申請には大きく次の2つの条件満たす必要があります。
- 創業済みである
- 企業規模の条件を満たしている
創業済みである
申請する段階で、法人であれば登記済みである必要があります。また、個人事業主で申請する場合には、こちらも開業届を提出済みでなければなりません。
企業規模の条件を満たしている
ものづくり補助金の公募要領によって、各組織タイプそれぞれで条件が定められています。中小企業者であれば、各業種における上限資本金額と上限従業員数が定められています。資本金、従業員数どちらかが基準以下であれば条件を満たしていることになります。
例えば、製造業・建設業・運輸業・旅行業であれば「資本金3億円以下」・「従業員数300人以下」で、小売業であれば「資本金5,000万円以下」・「従業員数50人以下」です。このように、それぞれの業種によってばらつきがあるため、自社が条件をクリアしているか確認する必要があります。
なお、冒頭にも述べましたが、ものづくり補助金の対象者は、「製造業」だけでなく多くの業種が対象になります。実際に採択事例には、小売業やサービス業等さまざまな業種の事業者が採択されています。
ものづくり補助金の公募要領
各類型毎の概要
ものづくり補助金は各類型によって、補助金額や補助率などが異なります。以下、各類型の補助金額・補助率・設備投資・補助対象経費です。
一般型(通常枠)
補助金額
- 従業員5人以下は100万円〜750万円
- 6人〜20人は100万円〜1,000万円
- 21人以上は100万円〜1,250万円
補助率
1/2、小規模企業者・小規模事業者、再生事業者は2/3
設備投資
単価50万円以上の設備投資が必要
補助対象経費
機械装置・システム構築費・技術導入費・専門家経費・運搬費・クラウドサービス利用費・原材料費・外注費・知的財産件等関連経費
一般型(回復型賃上げ・雇用拡大枠)
補助金額
- 従業員5人以下は100万円〜750万円
- 6人〜20人は100万円〜1,000万円
- 21人以上は100万円〜1,250万円
補助率
2/3
設備投資
単価50万円以上の設備投資が必要
補助対象経費
機械装置/システム構築費・技術導入費・専門家経費・運搬費・クラウドサービス利用費・原材料費・外注費・知的財産件等関連経費
一般型(デジタル)
補助金額
- 従業員5人以下は100万円〜750万円
- 6人〜20人は100万円〜1,000万円
- 21人以上は100万円〜1,250万円
補助率
2/3
設備投資
単価50万円以上の設備投資が必要
補助対象経費
機械装置/システム構築費・技術導入費・専門家経費・運搬費・クラウドサービス利用費・原材料費・外注費・知的財産件等関連経費
一般型(グリーン)
補助金額
- 従業員5人以下は100万円〜1,000万円
- 6人〜20人は100万円〜1,500万円
- 21人以上は100万円〜2,000万円
補助率
2/3
設備投資
単価50万円以上の設備投資が必要
補助対象経費
機械装置/システム構築費・技術導入費・専門家経費・運搬費・クラウドサービス利用費・原材料費・外注費・知的財産件等関連経費
グローバル展開型
補助金額
1,000万円〜3,000万円
補助率
1/2、小規模企業者・小規模事業者は2/3
設備投資
単価50万円以上の設備投資が必要
補助対象経費
機械装置/システム構築費・技術導入費・専門家経費・運搬費・クラウドサービス利用費・原材料費・外注費・知的財産件等関連経費・海外旅費
基本的な補助要件
ものづくり補助金に採択されるための基本要件は次の3つです。
- 付加価値額を年3%以上上昇させる
- 給与支給額を年1.5%以上増額する
- 事業内最低賃金を地域別最低賃金(時給)より三十円以上高い額にする
また、上記の基本要件に加え類型ごとに追加で満たす必要のある要件があります。
各類型の追加要件
一般型(回復型賃上げ・雇用拡大枠)の追加要件
- 前年度の事業年度の課税所得がゼロであること
- 常時使用する従業員がいること
- 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額、事業場内最低賃金目標を達成すること
一般型(デジタル枠)の追加要件
- DXに関する製品・サービスの開発、もしくはデジタル技術を用いた生産プロセス・サービス提供方法の改善
- 経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構に対して提出していること
- 独立行政法人情報処理推進機構が実施する「SECURITY ACTION」の一つ星、または二つ星のいずれかの宣言を行なっていること
一般型(グリーン枠)の追加要件
- 温室効果ガスの排出削減に寄与する製品・サービスの開発、もしくは炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善
- 3〜5年の事業計画期間内に、事業場単位又は会社全体での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること
- これまでに自社で実施してきた温室効果ガス排出削減の取り組み有無を示すこと
グローバル展開型の追加要件
以下のいずれかの類型を満たす投資であることが要件です。
- 海外直接投資
- 海外市場開拓
- インバウンド市場開拓
- 海外事業者との共同事業
ものづくり補助金の申請方法
ものづくり補助金の申請方法は、インターネット経由の電子申請のみでの受付です。ものづくり補助金の公式HPから電子申請システムページにログインをし、入力・申請を行います。申請には、入力だけでなく添付しなければならない資料もございますので、そちらを確認し準備した上で申請しましょう。
添付資料などはこちらから確認可能です。
また、ものづくり補助金の申請には、GビズIDプライムアカウントの取得が必須です。事前にアカウントの作成を行いましょう。
ものづくり補助金の採択事例
第9次ものづくり補助金への応募数は一般型3,552件、グローバル展開型61件でした。そのうち採択者数はそれぞれ2,223件と24件でした。以下は採択者の一部事例です。
一般型
- 補助事業:ペット高齢化フード需要に対応した生産能力と生産性の向上
- 地域:山口県
- 申請者:株式会社フェアリーS. ガーデン
- 支援機関:なし
グローバル展開型
- 補助事業:バーチャルワーカー向け採用プラットフォーム事業
- 地域:東京都
- 申請者:株式会社エンジニアプラス
- 支援機関:行政書士法人jinjer
以上のように、地域や業種問わず交付されています。
詳しくは公式HPを参照ください。
ものづくり補助金の10次までのスケジュール
ものづくり補助金のうち、一般型とグローバル展開型は約3ヶ月毎に募集を行なっています。
次回の募集である第10次ものづくり補助金の応募はすでに始まっており、令和4年5月11日(水)までが期間となっています。
ものづくり補助金のまとめ
本記事では、ものづくり補助金について概要や対象、次回のスケジュールについて紹介いたしました。
ものづくり補助金の制度や公募要領は、年度によって変更いたしますので、適宜確認していきましょう。