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【起業家インタビュー】融資は資金に余裕があるタイミングがベスト|空き倉庫のマッチングサービス「souco」中原久根人

創業者インタビュー 【起業家インタビュー】融資は資金に余裕があるタイミングがベスト|空き倉庫のマッチングサービス「souco」中原久根人
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創業融資のスペシャリスト INQ

株式会社INQは、スタートアップの融資支援に特化した専門チームです。 スタートアップの諸事情やビジネスモデル、エクイティとの兼ね合い等も考慮し、これまで累計600社以上(年間約200社・13億円超)のスタートアップの創業融資を成功させています。シード〜シリーズAの様々な状況に柔軟に対応し、融資成功への最適なルートをご提案します。

利子付きで調達資金を返済する必要があるため、デッドファイナンス(Dead Finance)とも揶揄される「デットファイナンス(Debt Finance=融資)」。しかし、タイミングを見極めて使うことで、スタートアップが事業を拡大する大きな手助けになってくれます。

融資の知識はまだまだ浸透しておらず、活用できていない企業が多いのが現状も。そんな中で、融資を活用して上手な事業計画をすすめているのが株式会社souco(以下、souco)です。

今回は、日本政策金融公庫と銀行から融資を受けた、souco代表の中原久根人さんにお話を伺いました。

倉庫の空きスペースと使いたい企業をマッチングする「souco」

──どんなサービスを提供しているんですか?

「空いている倉庫」と「倉庫が必要な企業」をマッチングさせるサービス「souco(そうこ)」を提供しています。

──どんな事業者に利用されているんですか?

基本的には、大きな物流事業者やメーカーを対象としています。例えば、商品のリコールが起きて現存の倉庫がパンパンになり、短期間だけ商品を置いておく場所がほしいときなどです。

「急に空きスペースが必要になった」という企業に向けて、必要な期間、必要なだけ借りてもらえるようにしているんです。最短3日で借りられて、平均で3カ月ほど使っていただいています。

──急きょ必要になる場合が多いんですね。

はい。通常、人力で追加のスペースを探すとなると、1カ月の利用を交渉するだけで、契約締結まで半年くらいかかってしまいます。そもそも、どこの倉庫のスペースが空いているのかさえ、分かりません。

私たちは、マッチングプラットフォームを提供することによって、空きスペース探しの手間やコストを削減するお手伝いをしています。

──契約している倉庫は、どのくらいあるんですか?

契約している倉庫は、20万坪、200カ所くらいですね(2018年10月22日時点)。とある国内大手運送会社の倉庫は11万坪ほどなので、soucoはかなり多くの倉庫を保有しています。

──サービスを利用している事業者数は、どのくらいですか?

登録している事業者は130社を超えています(2018年10月22日時点)。

この事業者のうち半分ほどは、借りる側だけではなく、貸し出す側にもなりえます。自社の倉庫を持っていて、さらにスペースが必要になれば「souco」で探したり、逆にスペースが空いているなら貸し出したり。

同じ畑なのに夏と冬で違う野菜を育てるような、農業の「二毛作」のイメージです。

──使い勝手がいいですね。どこに倉庫があるんですか?

基本的には、郊外や港の近くにある大型倉庫です。soucoが保有するスペースのうち、半分が首都圏、3割が大阪関西エリア。2割が全国ですよ。

──貸し出す側からすると、定期で借りてもらった方が助かりませんか?

一回スペースの契約が切れると、次の利用者がなかなか見つからず、半年〜1年ほど空いてしまう場合が多いんです。

定期で長く借りてもらうためには、長期で営業をかけて、次の利用者を探さなければなりません。そのため、次の利用者が見つかるまで、soucoが短期希望の利用者をつないでいます。

──確かに、少しでも収入につなげた方がいいですね。

そうなんです。こういった法人向けの倉庫マッチングサービスは、今までビジネスとしてありませんでした。なので、借りる側からも貸し出す側からも、ありがたい声をいただいています。

借りる側は、急いでいるときでもスムーズに見つけられるから助かる。貸し出す側は、数%でも利回りが上がるのはありがたい、と。今後、倉庫のスペースで困っているさらに多くの事業者たちにも使ってもらいたいです。

融資サポートの活用で、コストも時間も無駄にしない!

──融資を活用しようと思ったきっかけはなんですか?

2017年4月にシードファイナンスを終えたあと、事業進捗が遅れてしまっていたのがきっかけです。次の資金調達までの橋渡しとなる、ブリッジファイナンスをやろうか迷っていました。日本政策金融公庫(以下、公庫)や銀行から、融資を受けられたらと考えていました。

──もともとシードファイナンスでは、どのくらい調達していたんですか?

メインの引受先はベンチャーキャピタルで、6,000万円ほど調達しました。BtoBでお金が入ってくるのに時間がかかるので、金額が大いに越したことはないなって。

そもそも事業の領域が堅くて大きかったので、シードだと結構多い金額を出資してもらえました。使い道は、2017年10月のサービスローンチに向けた、サービス開発費です。

──いつ、本格的に融資を考え始めたんですか?

本格的に考え始めたのは、ローンチしてから1カ月後の11月くらいです。数千万円ほど借り入れできたらと思っていました。

出資は経験しましたが、融資は初めてだったので、分からないことだらけで……。そんなとき、GOAL(現INQ)の若林さんを紹介してもらい、公庫の融資のサポートをお願いしました。

──専門家に依頼することに抵抗感はありましたか?

ありませんでしたね。スタートアップだと事業を伸ばすことに集中しているので、依頼することで全部やってもらえるなら、とても楽だと思いました。事業計画書の作成やその他事務作業などで、時間もコストもかなり取られるので。

結果、若林さんにお願いしてから面接して1カ月くらいのスピードで、着金されました。

──融資を受けてみて、どうでしたか?

スピーディーにどんどん進んでいったので、やはり融資に精通している人にお願いするのがいちばんだと思いました。申請で落ちることもあるみたいですが、若林さんにサポートしていただいたおかげで、無事借り入れできてよかったです。

融資を受けることで、次の資金調達のラウンドを急がずに済んだので、焦らず融資を活用して本当によかったと思います。

──今回は、公庫からの融資が金額の割合を大きく占めているんですか?

実は、公庫と同時期の2017年11月くらいに、三井住友銀行(以下、SMBC)での融資も進めていました。資金は多い方がいいと思ったので、熱心に通ってくれていた営業マンから融資を申し込んだんです。

──SMBCの融資の手続きは、自力で進めたんですか?

はい。公庫の手続きの方が先だったので、若林さんが作成してくれた事業計画をそのまま使わせていただきました。そのおかげで、とてもスムーズに進み、公庫と同じタイミングで12月に着金できました。

公庫とSMBCからの融資は、サービスの運転資金として、開発と営業に使っています。

融資は、資金に余裕があるタイミングでやるべし!

──融資を受けること自体に抵抗はありましたか?

知り合いの起業家が、「絶対融資受けておいた方がいい」と勧めてきてたので、抵抗はまったくありませんでした。

──実際に受けてみて、スタートアップの段階で融資サポートを受けるべきだと思いますか?

僕自身は利用した方がいいと思っています。経営者の友人が自力で公庫に申請をして、希望額より結構少なくなったという話も聞きました。

もし、自分たちが借りられる状況であるなら、早めに融資を受けておくのをおすすめします。

──中原さんが融資を受けたタイミングはどうでしたか?

資金に余裕があるときに融資を受けられたので、早めにやって本当によかったです。資金がギリギリになってから焦って調達するのは、「底を尽きるんじゃないか」と、不安定な精神状態にもなると思うので。また、資金残高が少ないと、融資を受けにくくなってしまうと思います。

個人的には、シードラウンドの出資が終わってから、少ししたタイミングでよかったなと思います。比較的残高が高いし、融資が通りやすいんじゃないかなと思います。

──今後も資金調達の予定はありますか?

そうですね。融資を受けて会社がどんどん成長しているので、今後はシリーズAも考えています!


「タイミングよく、スムーズに融資を受けられたから、サービスを成長させるきっかけが掴めた」と話す中原さん。資金に余裕があるベストなときに借り入れをし、現在soucoはどんどん事業を拡大しています。今後も、soucoが世の中にどんな影響を与えていくのか、目が離せませんね。

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