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ストックオプションとは、どのようなものかご存知でしょうか?
言葉の意味は何となく理解していても、その種類や仕組みを詳しく理解している人は少ないかと思います。 そこで、本記事ではストックオプションについて詳しく解説します。
- ストックオプションとは何か
- ストックオプションの種類
ストックオプションとは
ストックオプションとは、会社が従業員や取締役に対して、あらかじめ決められた価格(権利行使価額)で会社の株式を取得できる権利です。
ストックオプションは売却時の株価が権利行使価額よりも高いほど利益になるため、将来的に株価が大きく上がる可能性のある企業に向いています。そのため、特にIPOを目指す企業では使いやすい制度であると考えられます。
また、ストックオプション制度はインセンティブ報酬であり、権利行使価額で株式を取得後、株価が上昇した際に株式を売却すると、その差額分が利益となります。この利益が会社の業績向上による株価上昇と一致するため、権利を付与された従業員や役員の仕事に対するモチベーションアップにつながり、業績向上のインセンティブになります。
ストックオプションの種類
ストックオプションは次の6つに分類することができます。
- 無償ストックオプション
- 税制適格ストックオプション
- 税制非適格ストックオプション
- 株式報酬型ストックオプション
- 有償ストックオプション
- 信託型ストックオプション
無償ストックオプション
無償ストックオプションとは、従業員や役員が支払う発行価額が無償で付与されるストックオプションのことです。
しかし、無償で付与する場合、税制上は給与としてみなされるため、最大約55%の給与課税が適用されます。
ただし、適格要件というものを満たすことで、給与課税を課されないようにすることができます。この適格要件を満たす場合と満たさない場合で、次に説明する税制適格ストックオプションと税制非適格ストックオプションに分けられます。
税制適格ストックオプション
税制適格ストックオプションは、無償ストックオプションの中でも、適格要件を満たしているストックオプションを指します。
適格要件には、主に発行形態・行使価額・行使期間・付与対象者などに関して様々な厳しい制限があります。しかし、上述した通り、要件を満たすとストックオプションの権利を行使して株式に変える際、給与所得に対する10〜55%が課税を免れることができます。
税制非適格ストックオプション
税制非適格ストックオプションは、無償ストックオプションの中で適格要件を満たしていないストックオプションを指します。
税制適格ストックオプションとは反対に、給与所得に対する課税がかかります。そのため、株式売却時に課税される譲渡課税と併せて2回の課税が発生することに注意が必要です。
株式報酬型ストックオプション
株式報酬型ストックオプションとは、税制非適格ストックオプションの中でも権利行使価格を1円などの極めて低い価格に設定するストックオプションです。
付与された従業員や役員は権利行使時に株式と同等の利益を得られる仕組みであり、退職金として扱われるケースが多いです。
単なる税制非適格ストックオプションとの違いは、給与課税は課されず、退職金課税がかかる点です。他のストックオプションと比較すると、権利行使時の税負担が少ないため権利が行使しやすいストックオプションであると言えます。
有償ストックオプション
有償ストックオプションは、無償ストックオプションと異なり、従業員や役員に付与される際にお金がかかります。
有償ストックオプションの場合、従業員や役員はストックオプションを購入しているため、税務上は金融商品とみなされます。
そのため、税制適格ストックオプションと同様に譲渡課税のみが課されるので、税制非適格ストックオプションに比べて税率が低くなります。
信託型ストックオプション
信託型ストックオプションとは、有償ストックオプションの中でも信託を利用したストックオプションです。
仕組みとしては、はじめに全員分のストックオプションをまとめて信託に割り当てます。そして、付与対象者に対して、ストックオプションに交換可能なポイント与え、信託満了時にポイント数に応じてストックオプションが割り振られます。
信託型ストックオプションは比較的新しい仕組みです。従来のストックオプションと異なり、割当先を後から決められる・一回の発行で済むなどのメリットがあります。
ストックオプションのまとめ
ストックオプションとは、会社が従業員や取締役に対して、あらかじめ決められた価格(権利行使価額)で会社の株式を取得できる権利でした。
そして、ストックオプションは次の6つに分類することができ、それぞれに違いがありました。
- 無償ストックオプション
- 税制適格ストックオプション
- 税制非適格ストックオプション
- 株式報酬型ストックオプション
- 有償ストックオプション
- 信託型ストックオプション
自分が利用する制度がどの種類なのかを正しく理解して、この記事がストックオプションのメリットを多く得られる助けになれば幸いです。