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ストックオプションに対して税金がかかることはご存知でしょうか。
ストックオプションはその種類によって税金のかかり方が異なるため、自分が払う税額を把握しきれていない人もいるかと思います。
そこで、本記事ではストックオプションにかかる税金について詳しく解説します。
- ストックオプションにかかる税額について
- ストックオプション制度を利用した際の確定申告について
ストックオプションとは
ストックオプションとは、会社が従業員や取締役に対して、あらかじめ決められた価格(権利行使価額)で会社の株式を取得できる権利です。
ストックオプション制度は、権利行使価額と株式売却額の差額分が利益となり、この利益が会社の業績向上による株価上昇と一致するため、ストックオプションを付与された従業員や役員のインセンティブとなり、モチベーションアップにつながります。
また、ストックオプションは様々な種類があり、次の6つに分類することができます。
- 無償ストックオプション
- 税制適格ストックオプション
- 税制非適格ストックオプション
- 株式報酬型ストックオプション
- 有償ストックオプション
- 信託型ストックオプション
詳細については「ストックオプションとは?仕組みや種類について詳しく解説」をご参照ください。
ストックオプションにかかる課税タイミング
付与されればメリットのあるストックオプションですが、種類やタイミング等により課税が異なりますので、正しく理解しておく必要があります。
(詳しくは税理士にご相談ください。)
ストックオプションに課税されるタイミングは次の2つがあります。
- ストックオプションの権利を行使するとき
- 取得した株式を譲渡(売却)するとき
ストックオプションの権利を行使するとき
ストックオプションの権利行使とは、ストックオプション行使価格で株式を取得することです。
時価よりも行使価格が安い場合は、時価よりも安い価格で株式を取得したことになります。その時、利益は確定していなくても利益が生じたとみなされ、課税されることがあります。
取得した株式を譲渡(売却)するとき
株式譲渡(売却)のタイミングでは、売却時の株価から行使時の株価を引いた部分の金額に対して、譲渡所得として課税されます。
ストックオプションにかかる税額の計算方法
課税されるタイミングをふまえて、次の3つのストックオプションにかかる税額の計算方法を解説します。
- 税制適格ストックオプション
- 税制非適格ストックオプション
- 有償ストックオプション
税制適格ストックオプション
税制適格ストックオプションは、発行価額が無償であるストックオプションの中で、適格要件を満たしているストックオプションを指します。
税制適格ストックオプションでかかる税金は、先程説明した課税タイミングの
- 取得した株式を譲渡(売却)する
時のみです。
株式譲渡時の税額は以下のように計算できます。
収入金額(譲渡価格)-{取得費+譲渡費用(委託手数料など)}= 譲渡所得
譲渡所得 × (所得税率 + 住民税率)= 譲渡所得税額
税制非適格ストックオプション
税制非適格ストックオプションは、無償ストックオプションの中で適格要件を満たしていないストックオプションを指します。
税制非適格ストックオプションでかかる税金は、次の2つタイミングで課税されます。
- ストックオプションの権利を行使する
- 取得した株式を譲渡(売却)する
ストックオプションの権利を行使した場合の税額は以下のように計算できます。
(権利行使時の株式の時価 - 権利行使価格)× 株式数 = 所得金額
所得金額 × (所得税率 + 住民税率)= 給与所得等の税額
また、税制適格ストックオプションと同様に、株式譲渡時の税額は以下のように計算できます。
収入金額(譲渡価格)-{取得費+譲渡費用(委託手数料など)}= 譲渡所得
譲渡所得 × (所得税率 + 住民税率)= 譲渡所得税額
詳細については「No.1543 税制非適格ストック・オプションに係る課税関係について」をご参照ください。
有償ストックオプション
有償ストックオプションは、無償ストックオプションと異なり、従業員や役員に付与される際にお金がかかります。
そのため、権利行使時に給与所得とはみなされず課税対象になりません。
よって、有償ストックオプションでかかる税金は、
- 取得した株式を譲渡(売却)する
時のみです。
株式譲渡時の税額は以下のように計算できます。
有償ストックオプションの場合、取得費は権利行使時の時価ではなく、ストックオプション取得時の権利行使にあたり実際に負担した価額が含まれます。
ストックオプション利用時の確定申告の注意点
確定申告の際の注意点は次の2つあります。
- 確定申告が不要な場合もある
- 申告漏れがないようにする
確定申告が不要な場合もある
「源泉徴収口座あり」の特定口座から譲渡した際は、譲渡の事実はあっても確定申告が不要なことがあるため確認が必要です。
申告漏れがないようにする
譲渡所得の確定申告を行わず、申告漏れになってしまった際には、納付税額に対して「無申告加算税」が課せられることがあります。
ただし、「無申告加算税」は、税務調査前に自主的に期限後申告をした場合は軽減されるため、申告漏れを発見したらすぐに申告を行うことを推奨します。
ストックオプションにかかる税金についてのまとめ
ストックオプションとは、会社が従業員や取締役に対して、あらかじめ決められた価格(権利行使価額)で会社の株式を取得できる権利でした。
また、ストックオプションに課税されるタイミングは次の2つがありました。
- ストックオプションの権利を行使する
- 取得した株式を譲渡(売却)する
これらの課税されるタイミングをふまえて、次の3つのストックオプションにかかる税額に違いがありました。
- 税制適格ストックオプション
- 税制非適格ストックオプション
- 有償ストックオプション
最後に、ストックオプション利用時の確定申告の注意点も解説しました。
確定申告を行う際には、自分が利用しているストックオプションの種類を把握していることが必要です。そのため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。