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就業規則変更届の提出方法とは?必要書類・手順・注意点を解説

創業前に知りたいこと 就業規則変更届の提出方法とは?必要書類・手順・注意点を解説
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「就業規則の変更方法を知りたい」

「就業規則変更届の提出方法は?」

「就業規則変更届に決まった様式はある?」

法律の改正や業績の変化などによって就業規則を変更し、それを届け出る際には、注意点を踏まえた上での所定の手続、書類作成が必要になります。

本記事では就業規則の変更について詳しく解説します。

この記事でわかること
  • 就業規則変更の手順(提出方法)
  • 就業規則変更の必要書類
  • 就業規則変更時の注意点

就業規則とは

就業規則とは、従業員の労働時間や賃金などの労働条件や、職場内の規律などについてまとめたものです。

常時10人以上の従業員を使用する企業では就業規則の作成と、労働基準監督署への届出が義務付けられています。

また、労働者の不利益となるよう変更する場合には、合理的な理由がある場合を除いて、労働者代表のみならず対象労働者の同意が得なければ有効な就業規則にはならないため、作成のみならず、変更する場合にも注意が必要です。

就業規則については「就業規則って何のためにあるの?労働契約との違いや作成手順を解説」で詳しく解説しています。

就業規則変更届の提出方法

就業規則を変更して提出する方法はおおよそ次のようになります。

  1. 改定案を作成する
  2. 意見聴取を行う
  3. 必要書類を作成する
  4. 遅滞なく所轄労働基準監督署へ必要書類を提出する
  5. 労働者へ周知する

ここからは、各項目について詳しく解説します。

1. 改定案を作成する

まず就業規則の変更案をまとめます。

従業員に対して不利益な変更が生じる場合は、その合理性を慎重に判断して変更案を作成してください。

また、従業員に正社員のほかパートやアルバイトといった非正規労働者がいる場合は、就業規則が適用される範囲を決めることも重要です。

さらに、法律に抵触する部分がないかどうか、弁護士や社会保険労務士などへの相談や確認も行いましょう。

2. 意見聴取を行う

就業規則を変更する際は、作成時と同様に、労働者の過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数を代表する者からの意見聴取が義務付けられています。

「意見聴取」とは、文字通り意見を聴けば良いため、同意を得ることや、協議を行うことまで要求しているものではありません。

また、事業主としては、法的にはその意見に拘束されるものではないため、就業規則の変更そのものは企業が主体となって行います。

3. 必要書類を作成する

就業規則を変更する際に必要な書類は以下の通りです。

  • 就業規則変更届
  • 意見書
  • 変更後就業規則

これらの書類の詳細は、以下の「就業規則変更の必要書類・書き方」で詳しく解説します。

4. 所轄労働基準監督署へ必要書類を提出する

就業規則変更届の提出方法を解説します。

事業所を管轄する労働基準監督署に必要書類を提出します。

この際、書類は控えを含めて2部提出します。

1部は受付印をもらって事業所で保管することでいつ提出したかが明らかになります。

事業所が複数ある場合は事業所ごとに就業規則を届出します。

たとえ同じ市内でも本社と支店で住所が違えば、それぞれで届出しなければなりませんので注意しましょう。

所轄労働基準監督署は、厚生労働省の全国労働基準監督署の所在案内ページから確認します。

事業所がある都道府県を選択し、労働基準監督署一覧の管轄一覧表をクリックすると管轄地域が確認できます。

5. 労働者へ周知する

作成・変更した就業規則は、各職場に掲示することや、共有フォルダに入れていつでも閲覧可能にするなど、労働者がいつでも見られるように周知することが義務付けられています(労基法第106条)。

就業規則変更の必要書類・書き方

就業規則を変更する際に必要な書類は以下の通りです。

  • 就業規則変更届
  • 意見書
  • 変更後就業規則

ここからは、これらの書類について書き方と合わせて詳しく解説していきます。

就業規則変更届

就業規則変更届には決められた様式はありませんが、活用できる雛形を労働局のWebサイト厚生労働省のWebサイトなどからテンプレートファイルをダウンロードできます。

また、就業規則変更届には就業規則の全文を記載しなくても、主な変更箇所のみを添付することも可能です。

意見書

就業規則を変更する際には、労働者の過半数を代表する者に意見聴取を行ったことを証明する意見書も作成しなければなりません。

代表者は、管理監督者でない者の中から、挙手や投票などの民主的な方法で選出されることが条件です。

そして、選出された従業員代表者の意見を聞いて内容を書面にまとめます。

この意見書の内容は「特に意見なし」や「就業規則の変更に反対」でもかまいません。

就業規則の変更に反対の意見書を添付したとしても、労働者代表に意見をきいていることが重要なので、労働基準監督署は変更届を受け取ってくれますし、届出の効力は有効です。

意見書にも決められた様式はなく、活用できる雛形は労働局のWebサイト厚生労働省のWebサイトなどからダウンロードできます。

なお、令和3年4月1日以降に届出を行う就業規則の意見書には、押印(印鑑)は必要ありません。

変更後就業規則

変更後の就業規則は自社の様式で問題ありません。

変更部分を朱書きしたり、新旧比較表を添付したりしてもよいですし、変更後の就業規則そのままでも問題ありません。

就業規則変更の注意点

不利益変更について

会社の経営状況が悪化し就業規則を労働者の不利益となるよう変更する場合には、合理的な理由がある場合を除いて、労働者代表のみならず対象労働者の同意が得ないと有効な就業規則にはなりません。

ここでいう「労働者の不利益」の主な例には、以下のようなものがあります。

  • 賃金の引き下げ
  • 手当の廃止
  • 労働時間の変更
  • 年間休日の削減
  • 福利厚生の廃止

ここからは、就業規則の不利益変更を行う場合の注意点と対策方法について、詳しく解説していきます。

一方的な不利益変更や従業員の同意が得られない不利益変更が理由で、大きなトラブルへと発展することのないよう、確認しておきましょう。

給与の減額や手当の廃止の場合

給与の減額や手当の廃止は、従業員の生活へ直接的な影響を及ぼすことが明らかである点から、最もトラブルが起こりやすい問題です。

できる限りトラブルへ発展させないために、まずは給与の削減計画を作成します。

この際、削減後の給与が同業同規模の他社と比べて、どの程度であるかを検討し、明らかな差異がないかを確認しましょう。

その後、給与が減額される旨を従業員に説明するために、説明会もしくは個別での時間を設け、就業規則を変更します。

また、給与減額後に、同意の面で問題に発展しないためにも全従業員から同意書を貰いましょう。

労働組合がある会社の場合は、労働組合と労働協約を締結します。

労働日数、休日の変更の場合

労働日数や休日日数を変更する場合は、日数が変更となることで、どのように変化するのか、変更案を作成しておくことをおすすめします。

給与計算の基礎となる単価へ影響する部分でもありますので、時間単価・休日単価・時間控除単価・固定残業代といった事項などに注意したうえで、変更を行いましょう。

周知すること

周知を行うことは、就業規則を変更するうえで非常に重要なポイントの一つです。

周知がなされていない就業規則は効力が認められず、周知義務違反として30万円以下の罰金が科せられる場合があります(労基法第120条)。

届出を速やかに行うこと

就業規則の変更届をいつ行うかについては明確な規定はありません。労働基準法施行規則でも「遅延なく」と記載されています。

ただし、就業規則の作成及び届出の義務について定めた労働基準法第89条に違反すると、30万円以下の罰金に処される可能性があります。

就業規則を変更する必要性が生じた場合は、なるべく早めに所定の手続きを行い、速やかに届け出るようにしましょう。

意見書・報告書

従業員にとって不利益な変更を行う場合、労働組合または代表者の反発を買って、意見書を提出してもらえないことがあります。

そんなときは、意見を聴いたことを証明するものとして報告書を提出しましょう。

そもそも就業規則の変更は、その内容について労働者側の意見に拘束されるものではありません。

そのため、変更についてきちんと説明し、その意見を聴こうとする努力を行ったことが客観的に認められる場合、労働基準監督署ではこれを受理すべきとしています。

具体的には、労働者に対してどのような説明を行ったか、どんな形で意見を聴取したか、などの経緯を記した報告書を作成・提出すれば、意見書に代わる書類として受理してもらえます。

就業規則変更の届出のまとめ

この記事では、就業規則の変更の際の手順や必要な書類について、また変更時の注意点について解説しました。

労働にまつわる法令の改正や最低賃金の改定があったときや、在宅勤務制度や変形労働時間制を導入するときなど就業規則を変更する際には、スムーズに就業規則変更手続きができるよう、本記事を活用いただけますと幸いです。

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