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領収書の役割は、商品やサービスに対する代金の支払いを証明することです。
この役割によって、取引における二重請求や過払い、経費に関する不正を防ぐことができますが、正確に記入されていないと、法的文書として無効になる場合があります。
そこで、この記事では領収書を手書きする手順について解説します。
- 領収書を手書きする手順
- 領収書を手書きするときの注意点
領収書に関する知識は「領収書の書き方から保管方法まで。領収書に関する知識をまとめて解説」にまとめています。
領収書を手書きする手順
領収書を手書きする際に必要な項目は次の6つです。
- 日付
- 宛名
- 但し書き
- 金額
- 発行者情報
- 収入印紙
日付
日付には金銭を受領日、もしくは領収書の発行日を記入します。実際、この2つは同様の日付になることが多いと思います。
具体的には、以下のように記入しましょう。
・令和3年10月31日
・2022/10/31
日付を記入する際のポイントは、次の2つです。
- 西暦か和暦を使用する
- 年月日を全て記入する
和暦と比較して、西暦の方がより間違えにくいので、特に理由がなければ西暦で書くことをおすすめします。
宛名
宛名には代金を支払った人、つまり領収書を受け取る人の会社名や個人名を記入します。
宛名を記入する際のポイントは、次の4つです。
- 前株・後株を確認する
- 「株式会社」は(株)と略さない
- 表記が不明な場合は名刺や公式サイトで確認する
- 記入後には受取人に確認をしてもらう
特に、相手の会社名や個人名は必ず確認してから記入する必要があります。宛名を間違えると、経費として精算できない場合があり、トラブルを防ぐためにも正確に記入することが大切です。
また、宛名を空欄のまま、もしくは「上様」と記入することを求められる場合があります。
宛名がない領収書は経理精算には使用できますが、消費税法の仕入れ税額控除を受けるには基本的に宛名が必要です。ただし、特定の業種から受け取る領収書に関しては、宛名がなくても基本的には有効であると認められます。
詳細については「領収書は宛名なしでも大丈夫?宛名に関する決まりを解説」をご参照ください。
但し書き
但し書きは代金を受け取った商品やサービスを明確にするための項目です。
具体的には、以下のように記入しましょう。
・但しセミナー参加費として
但し書きを記入する際のポイントは、次の3つです。
- 原則として「お品代」は使用しない
- 領収書の発行者が記入する
- 複数商品がある場合は代表的なものを記入する
これらが守られていないと、受け取り側は社内の経理担当者や税務調査の際に不正を疑われる可能性があります。
また、複数の商品を購入された場合、領収書の限られた記入欄に詳しく記入するためには工夫が必要です。
詳細については「領収書の但し書き項目を一覧で紹介!記入の際に注意すべきポイントとは?」をご参照ください。
金額
金額には取引で受け取った代金の合計金額を記入します。
具体的には、以下のように記入しましょう。
・金1,200,000他
・¥1,200,000※
金額を記入する際のポイントは、次の4つです。
- 数字の部分は3桁ごとに「,(カンマ)」を記載する
- 先頭に「金」もしくは「¥(円マーク)」を記載する
- 末尾に「※(米印)」もしくは「−(ハイフン)」を記載する
- それぞれの数字と記号は間隔をあけない
上記の4つは、取引金額の改ざんを防止するためのルールです。これらを記載しないと、金額欄にスペースができるため、領収書の受け渡し後に数字を追加されないように注意して記入しましょう。
また、内訳欄を別に設けている場合は、内訳として税抜き金額と消費税額を記入します。
税抜き金額 ¥1,080,000-
消費税額(10%) ¥120,000-
発行者情報
発行者情報には領収書発行者の次のような情報を記載します。
- 会社名
- 店舗名
- 住所
- 連絡先
- 会社の印鑑
記入例は以下の通りです。
〒000-0000
〇〇県〇〇市〇〇町〇-〇
TEL 000-0000-0000
会社の印鑑は必須項目ではありませんが、発行者情報にかかるように押印することで偽造を防止することができます。特に理由がなければ押印することをおすすめします。
収入印紙
収入印紙とは、領収書などの課税文書に貼り付けることで印紙税を納税できる証票です。
収入印紙は受け取った税抜きの金額が5万円未満の場合、貼る必要はありません。一方、売上代金が5万円以上の場合は金額に応じた収入印紙が必要になります。
なお、売上代金以外の領収書の場合は以下の通りです。
詳細については「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書 – 国税庁」をご参照ください。
手書きの領収書を発行する上での注意点
手書きの領収書とレシートのちがい
手書きの領収書は、当たり前ですが手で記入するため、領収書の受け渡し後に金額や宛名を変更することが可能です。それを防ぐためにも、既に述べたポイントを守ることをおすすめしますが、税務調査では簡単に内容を変更できないレシートの方が好まれます。
詳細については「領収書とレシートの違いとは?レシートは経費にできるか解説」をご参照ください。
書き間違えた時の対処方法
誤って記入した場合の対処方法は、次の2つがあります。
- 訂正箇所に二重線をひく
- 再発行する
なお、領収書に修正ペンや修正テープを使用できず、ボールペン等を使って訂正する必要があります。
また、万が一再発行する場合は、新しい領収書に「再発行」であることを記載しましょう。そして、最初に記入した領収書が手元にある際は、返却してもらいましょう。
領収書を手書きする際の必要事項と注意点まとめ
領収書を手書きする際に必要な項目は、次の6つでした。
- 日付
- 宛名
- 但し書き
- 金額
- 発行者情報
- 収入印紙
また、手書きする際の注意点も解説しました。
- 手書きの領収書とレシートのちがい
- 書き間違えた時の対処方法
手書きの領収書は、内容変更などのリスクがあるものの、書き方に注意することで不正を未然に防ぐことができます。
領収書の作成時には、本記事で解説したポイントを参考になさって下さい。