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起業に興味があるけれど、どこから始めたらよいかわからない、という方も多いのではないでしょうか?
この記事では、「起業とは何か」をわかりやすく解説し、よく混同されがちな「創業」との違いも整理します。
また、起業のメリット・デメリットや実際に起業するまでの基本的な流れについても詳しく紹介しますので、参考にしてください。
起業とは何か?
起業とは、新たに事業(ビジネス・会社)を立ち上げることです。具体的には、自分のアイデアやスキルをもとに商品やサービスを提供し、収益を上げることを目的とする活動を意味します。起業には、個人事業主としての活動や法人を設立して事業を展開する場合も含まれます。
起業において重要なポイントは、単に新しい事業を始めるだけでなく、市場のニーズに応える形で価値を提供することです。起業にはリスクと責任が伴いますが、その分、自分のアイデアを具現化し、独立したキャリアを築く自由があります。
起業と創業の違い
「起業」と似ている言葉に「創業」があります。一般的に同じ意味合いで使われることが多いですが、若干の違いがあるので整理しておきましょう。
起業
定義: 事業を始める行為全般を指します。特に新しい市場や業種でビジネスを展開する際に使われることが多いです。
ニュアンス: 「自分で事業を起こす」という主体性や挑戦的な姿勢が強調されます。既存のアイデアを応用する場合も含まれます。
創業
定義: 会社や組織を初めて設立することを指します。事業の開始に特化した表現で、法人設立などの法的な手続きを含むことが一般的です。
ニュアンス: 事業の「スタート地点」にフォーカスされ、規模やジャンルを問わず広く使われます。
起業のメリットとデメリット
起業することにはどのようなメリット・デメリットがあるのか、主な例を紹介します。
起業のメリット
- 自由度の高さ:自分の判断で事業の方向性や働き方を決められるため、時間や場所に縛られず、ライフスタイルに合った働き方が実現可能です。
- 収入の上限がない:成果次第で収入を大幅に増やせる可能性があります。特に成功した場合、会社員では得られない大きな利益や資産を築けます。
- 自己実現の場になる:自分のアイデアや情熱を事業として形にできる点が大きな魅力です。特に、自分が社会にどのような価値を提供できるかを考え、それを実現する喜びを得られます。
- 人脈やスキルの広がり:起業を通じて多様な分野の人々と関わる機会が増え、人脈が広がります。また、実務を通じて経営、マーケティング、営業など幅広いスキルが身につきます。
- 社会的インパクトを与える可能性:社会に新しい価値を提供し、多くの人々の生活を改善するような事業を行うことで、地域や業界に影響を与える存在になれます。
起業のデメリット
- 経済的リスク:事業が軌道に乗るまで収入が不安定になることが多いです。初期投資や運転資金の不足が原因で、廃業に追い込まれる可能性もあります。
- 責任の重さ:経営者として、事業のすべての責任を負わなければなりません。特に従業員を雇う場合、その生活を支える責任がのしかかります。
- 長時間労働になりがち:事業を安定させるために、スタートアップ時には多くの時間とエネルギーを費やす必要があります。特に初期段階では、プライベートとのバランスが崩れることがよくあります。
- 社会的な孤独感:起業家としての課題や悩みは、会社員時代の同僚や家族には理解されにくい場合があります。孤独を感じやすくなることがデメリットです。
- 確実な成功が約束されない:どれだけ計画を立てても、事業の成功は保証されません。市場や競合の動き、経済状況など、コントロールできない要因が大きく影響します。
起業に向いている人の特徴
起業にはどのような人が向いているのでしょうか。「このような人が向いている」と断定することは難しいですが、一般的に以下のような人が向いているとされています。もちろんこれらは一般論であり、当てはまらなければ起業ができない(向いていない)というわけではありません。
- 自主性が強い
- 高い目標志向を持っている
- リスクを受け入れる柔軟性がある
- 問題解決能力が高い
- 好奇心と学習意欲が強い
- コミュニケーション能力が優れている
- 精神的なタフネスがある
- 創造性と発想力が豊か
- 経済的な計画性がある
起業の種類(方法)とビジネスモデルの選び方
ここでは主な起業の種類(方法)とビジネスモデルの選び方、そもそもビジネスモデルとは何かについて解説します。
起業の種類(方法)
1.個人事業主
- 特徴:1人で事業を行い、法人化せずに運営する形式。開業手続きが簡単で、税務署に「開業届」を提出するだけでスタートできます
- メリット:初期費用が少なく、運営がシンプル。利益がすべて個人の収入になる
- デメリット:責任がすべて個人に帰属し、事業が成長すると税負担が大きくなる
2. 法人(会社設立)
- 特徴:株式会社や合同会社などの法人を設立して事業を行う形式。法人格を持つため、原則的には個人と事業の責任が分離されます
- メリット:信用度が高く、資金調達や取引先の拡大がしやすい
- デメリット:設立費用や運営コストが高く、税務や法務手続きが複雑
3. フランチャイズ
- 特徴:既存のブランドやビジネスモデルを活用して事業を展開する形式
- メリット:ブランド力や運営ノウハウを活用できるため、初心者でも始めやすい
- デメリット:独自性が少なく、ロイヤルティなどFC契約上の制約がある
ビジネスモデルとは?
ビジネスモデルとは、「どのように価値を提供し、収益を上げるか」という仕組みを指します。具体的には、以下の要素で構成されます:
- 価値提供: 商品やサービスの強みや独自性
- 顧客層: 誰に向けたサービスか(ターゲット市場)
- 収益化方法: どのようにして利益を得るか(例:販売、サブスクリプション)
以下は代表的なビジネスモデルの例です。
- BtoB(Business to Business):企業間取引を行うモデル(例:ITサービス、卸売業)
- BtoC(Business to Consumer):一般消費者向けのモデル(例:小売、飲食)
- サブスクリプション:月額や年額で継続課金するモデル(例:Netflix、オンライン学習サービス)
- フリーミアム:無料サービスを提供し、一部の顧客に有料オプションを販売するモデル(例:アプリ内課金)
自分に合ったモデルを選ぶポイント
- 自分のスキルや経験を考慮する:自分の得意分野やこれまでの経験を活かせるモデルを選ぶと、スムーズに事業を展開できます。例えば営業経験があるならBtoB、接客が得意ならBtoCが適しているでしょう。
- 資金やリソースの状況に応じて選ぶ:初期投資が少ないモデル(個人事業やフリーミアム)から始めるか、資金調達が可能であればスタートアップを選ぶと良いでしょう継続的な運営コストも考慮することが重要です。
- ターゲット市場とニーズを理解する:どのような顧客層にサービスを提供したいか、彼らのニーズに適したモデルを選びましょう。市場調査を行い、競合との差別化を図ることが大切です。
- 成長性と持続可能性を検討する:一時的な収益ではなく、長期的に成長できる仕組みを構築しましょう。
- 自分の目標やビジョンに合致しているか考える:金銭的な成功だけでなく、社会貢献や自己実現といった目標を考慮した選択が重要です。
起業の準備に必要な5つのステップ
ここからは起業に必要とされる基本的なステップを5つに分けて紹介します。
関連記事:起業前に何を準備すればいいの?起業準備で必要なものまとめ
1. アイデア出しと市場調査
まずは自分のスキル、経験、情熱に基づいたビジネスアイデアを考えます。社会の課題やトレンドを分析し、解決策となる商品やサービスを見つけることが重要です。具体的な方法として、ブレインストーミングやSWOT分析を活用してアイデアを具体化します。
そしてターゲット市場を明確にし、顧客層(年齢、性別、職業、趣味など)を絞り込みます。競合他社の強みや弱みを分析し、差別化ポイントを見つけましょう。アンケート調査やインタビューなど通じて顧客のニーズを直接把握できると理想的です。
2. 事業計画書の作成
次に事業計画書を作成します。事業計画書は、自分のビジネスの方向性を明確にするだけでなく、金融機関や投資家、その他ステークホルダー(事業の関係者)に対する説得材料にもなります。
基本構成
- 事業概要(事業内容、提供する価値)
- 市場分析(ターゲット層、競合、需要予測)
- 収益モデル(収入と支出の計画)
- マーケティング戦略(集客方法、販売チャネル)
- 運営計画(必要なリソース、チーム構成)
ポイント
- 数字やデータを活用して具体的に記載する
- 読み手が「実現可能」と感じる内容にする
関連記事:【記入例付き】事業計画書の書き方とは?すべての項目と重要なポイントを解説します!
3. 資金調達
起業には資金が不可欠です。調達方法は状況に応じて選択します。
- 自己資金:自分の貯金を活用する方法。返済義務がないためリスクが低いですが、自己資金が限られている場合は事業規模が制約される可能性があります
- 金融機関からの融資:銀行や日本政策金融公庫からの借入。代表者の経験や自己資金、事業計画書が重視されますので、返済計画をしっかりと検討する必要があります
- 投資家からの出資:エンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの出資。大きな資金調達ができますが、資金と引き換えに経営権を渡すことになりますので、慎重な検討が必要です。
- クラウドファンディング:インターネット上で不特定多数の人々から資金を募る方法。アイデアが斬新であれば多くの支援を得られる可能性がありますが、プロモーション能力も必要です
関連記事:自己資金とは?創業融資の最重要ポイント「自己資金」の定義・範囲を徹底理解!
4. 起業に必要な手続き
事業を正式にスタートするためには、法的な手続きが欠かせません。
- 税務署への届け出:個人事業主の場合、「開業届」を税務署に提出します。法人の場合は「法人設立届出書」や「定款認証」が必要です
- 法人設立の手続き:定款を作成して公証役場で認証を受けます。そして法務局で法人登記を行い、会社の設立を完了させましょう。銀行口座の開設や社会保険の加入手続きも進めます
- 許認可の取得:業種によっては、特定の許可や資格が必要な場合があります(例: 飲食業、運送業)
5. 初期費用の計画と節約ポイント
事業の初期費用を適切に計画し、無駄な出費を抑える工夫が必要です。
初期費用の例
- オフィスや店舗の賃料
- 設備・備品購入費
- ホームページや広告費
節約ポイント
- シェアオフィスやコワーキングスペースを活用する
- クラウドサービスを利用する
- 業務の一部をアウトソーシングする
- マーケティングをSNSで行う
関連記事:シェアオフィスってどんなところ?メリット・デメリットを詳しく解説
起業に関するよくある質問
最後に、起業に関するよくある質問とその回答をまとめました。
Q1. 起業にはどれくらいの資金が必要?
A: 起業に必要な資金は、事業の規模や内容によって異なりますが、以下の要素が主な費用となります。
初期費用
- オフィスや店舗の賃料、内装工事費
- 必要な設備・備品購入費(パソコン、什器など)
- 許認可や法人設立費用(法人の場合は約20万円〜30万円)
など
運転資金
- 人件費
- 仕入れ費用
- 広告宣伝費
など
費用の例
- 個人事業主の場合:10万円〜50万円程度で始められるケースもあります(オンラインビジネスや小規模事業)。
- 店舗型ビジネスの場合:100万円〜500万円以上必要な場合が多いです。
Q2. 会社員との兼業でも起業できる?
A: はい、会社員として働きながら起業することは可能です。副業としてスタートすることには、以下のメリットと注意点があります。
メリット
- 収入の安定:本業の収入があるため、事業が軌道に乗るまでの生活費を確保できます。
- リスクの軽減:全てを起業に投資するリスクを減らし、小規模から試行的に事業を始められます。
注意点
- 就業規則を確認する:会社の就業規則で副業が禁止されていないかを確認してください。
- 労働時間の管理:本業への影響を最小限に抑えるため、時間管理が重要です。
- 競業避止義務を守る:現在の職場と競合する事業を行うと法律上のトラブルになる可能性があります。
Q3. 失敗しないためのポイントは?
A: 起業に絶対的な成功法則はありませんが、リスクを減らし成功率を高めるためには以下のポイントが重要です。
- スモールスタートを心がける:最初から大きな投資をせず、小規模で始めて市場の反応を見ながら拡大する方法がおすすめです。
- 綿密な事業計画:資金繰りに問題が発生すると事業継続が難しくなります。あらかじめ事業計画を立て、事業開始後も収入と支出のバランスを常に把握することが重要です。
- とにかく行動する:一方で立ち止まっていても何も始まりません。まずは行動し、早く小さく失敗して、早く学習して成長していくことが大切です。
- 柔軟に対応する:事業を進める中で予期せぬ問題が発生することは避けられません。市場や顧客の反応を見ながら柔軟に対応できる準備をしておきましょう。
- 信頼できる人脈を築く:アドバイザーや協力者の存在が、困難な状況で助けとなります。経験者や専門家からのアドバイスを積極的に受けましょう。
起業の第一歩を踏み出そう
起業は自分のアイデアや情熱を形にし、自由な働き方や独立したキャリアを実現することができます。しかしリスクや責任も伴うため、正しい知識と準備が欠かせません。本記事で紹介した内容を参考にしながら、しっかりと計画を立てて、成功への第一歩を踏み出してください。