若林 哲平
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日本政策金融公庫(以下、「公庫」)での創業融資の申し込みの際に必要となる借入申込書。裏表1枚の簡単な紙面ですが、数多くの項目があり、その記載内容に悩む方も多いです。
スタートアップの融資支援を累計500件以上行なっているINQでも、無料相談で「借入申込書作成のアドバイスが欲しい」というご相談をよくいただきます。
本記事では、借入申込書に悩まれているみなさんが正しく書けるよう、要点を解説していきます。
・借入申込書の概要と項目・記入にあたっての注意点
日本政策金融公庫の借入申込書とは?
借入申込書は、希望する融資内容の詳細を記述する書類であり、公庫で融資を申し込む際、一番最初に提出をしなければなりません。
借入申込書を提出後、書類に不備がなければ公庫の担当者から必要書類や面談日程などの連絡があります。
借入申込書のダウンロードはこちら
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html
融資全体の流れを知りたい方はこちら
借入申込書を記入する前に知っておくべきこと
①借入申込書の内容は面談時にチェックされる
借入申込書の形式はとてもシンプルですが、項目ごとに審査のポイントになる要素を抑えて記入する必要があります。各項目をしっかり考えずに埋めて提出すると、内容の齟齬による不信感から、「審査が不利になる」、「融資金額が減額される」などのおそれがあります。
②借入申込書の提出から審査がスタート
借入申込書を提出した時点で、公庫のデータベースに内容が入力され、個人信用情報等の確認が行われ、審査の履歴が正式に残ることになります。最終的な結論が出るまでの間に取り下げできるケースもありますが、いずれにせよ不利な履歴も残りますので、借入申込書提出より前にCICの確認などは済ませておきましょう。
日本政策金融公庫の審査でみられる信用情報とは?CICの確認と見方
次項では借入申込書の項目毎に適切な書き方を解説していきます。
希望通りの融資を実現するためにも、融資に影響のあるポイントを踏まえた上での作成を心がけましょう。
日本政策金融公庫の借入申込書の書き方
借入申込書の項目は大きく分けて、「申請者に関する情報」と「融資に関する情報」の2種類に分かれます。
個人/法人情報の記入欄
署名・捺印
法人の場合には法人名と代表者の氏名を、個人事業の方は氏名を記入します。捺印は印鑑証明と同様のものを使用しましょう。なお、署名は必ず直筆で書く必要がありますのでご注意ください。
住所
3つの内、上2つの枠は開業場所が確定している場合に記入する欄となっています。登記の際に届け出た本社所在地を記入しましょう。
一番下の枠はご自宅の住所を記入する欄です。住民票に記載された住所と同じになるよう、ビル名等の省略を行わずに記入してください。
なお、登記上の住所がバーチャルオフィスの場合、融資不可となる可能性がありますので注意が必要です。バーチャルオフィスの場合は、借入申込書を提出前に公庫や専門家に相談することをお勧めします。
企業の情報
創業予定日と創業時の業種・従業員数を記載しましょう。ご自身だけで事業を始める場合は0人と記入して問題ありません。
この際、創業予定日を早めに見積もってしまうと「資金を借りたにも関わらず創業をしていない」と判断されるリスクがあります。実現可能性の高い計画に基づく日付設定を行いましょう。
ご家族の情報
住所欄に記載したご自宅にて、同居している家族の情報を記入しましょう。同居家族がいない場合は記入の必要はありません。
なお、同居のご家族の中に、ご自身で事業をされていて、公庫から借入がある場合、その取引状況や残高等の確認がされる場合がありますので、注意が必要です。
融資に関する情報
お申込金額
借入希望額を記入する欄になります。創業計画書に記載した金額と同額を記入しましょう。
借入希望日
借入希望日は面談日程から2〜3週間後を目安に設定しましょう。面談日が決定していない場合は、借入申込書の提出日から3週間以上空けた日付を記入しておきましょう。
返済について
借りたお金を何年で返済するか、元金の据置期間は設けるか、などを記入します。
返済期間は月の返済額がいくらになるかを考えた上で設定しましょう。
据置期間とは、設定した期間は利息のみを支払い、元本は据置期間経過後から支払いを開始する制度です。詳しくはこちらの記事をご参照ください。
据置期間とは?創業融資における据置期間の決め方
資金の使い道
運転資金や設備資金の使い道は、創業計画書に記載した内容と同じものを記入しましょう。
ここで注意が必要となるのが借入希望額と資金用途の整合性が取れているかという点です。借入希望額が資金用途に比べてあまりに大きい等、申請内容に一貫性がない場合、融資を断られてしまう原因となってしまいます。申し込みは必要金額をしっかりと算定した上で行いましょう。
まとめ
一見するとシンプルに見える借入申込書ですが、記入の際に注意すべきポイントが多く、抜け漏れがあると差し戻しが発生してしまいます。
何よりも、借入申込書を提出した時点で審査が始まり、履歴が残ることになりますので、融資審査上不利な状況は借入申込書提出前に解消し、状況を整えてから提出する必要があります。
確実に融資を進めるためにも、少しでも不安のある方は公庫または専門家への借入申込書提出前のご相談をお勧めします。
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