若林 哲平
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日本政策金融公庫(以下、公庫)の新創業融資に申し込みをすると、書類審査の後、担当者の方と必ず面談をすることになります。審査の可否に大きく影響することもあり、面談に関する悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、面談において注意すべきポイントを、その背景と合わせて詳しく解説していきます。
この記事のポイント
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面談の目的とその意味
そもそも公庫の融資制度は、開業率をアップさせるという国の基本政策に基づき運用されており、国からは融資実績を増やすよう指示をされているため、公庫担当者はなるべく融資をしたいと考えています。
とはいえ手当たり次第に貸す訳にもいかないので、面談を含めた各種審査を通じて、様々な角度から「確実に返済をしてくれそうか」を判断します。受け答えの際には「どんな人に融資をしたいと思うのか」という担当者の視点を念頭に置きましょう。
厳しい質問をされたとしたら、それは担当者が融資を通すために全力を尽くしてくれているのだと考えてください。
質問に答える際の姿勢
面談で聞かれる質問は、創業計画書など、提出した書類の内容に基づいて、それらを補強する意味で行われます。いずれも質問の意図をよく理解して回答するといいです。
面談を通じて、この代表者は「確実に返済してくれる人に違いない」という印象を担当者に与えられれば成功です。
具体的な質問の意図や回答指針については以下の記事を参照ください。認定支援機関が作成した質問毎の回答例を掲載しています。
詳しくはこちらをご参照ください。
面談で注意すべき5つのこと
公庫の面談を受けるにあたっての次の5つの注意点があります。
- 根拠と経験をベースに
- 提出書類の中身を語れるように
- 受け答えは落ち着いて
- TPOに即した服装を
- 代表者以外が同席する場合には…
5つをそれぞれ確認していきましょう。
①根拠と経験をベースに
審査担当者は、事業が順調に成長し、安定的に継続する蓋然性(確からしさ)があるのかを、代表者の経歴や事業計画書の内容などから見ています。
創業動機や事業内容が、過去の経験や実績を踏まえたものであると好印象です。起業が場当たり的なものでなく、しっかりと考え練られたものであることをアピールしましょう。
②提出書類の中身を語れるように
面談ではあらかじめ提出した書類の内容を元に質問がされます。記載内容を自分の言葉で説明できるよう準備をしておきましょう。
書類内容と矛盾する受け答えはよくないですが、一字一句間違えないように覚える必要はありません。むしろ記載内容の背景も交えて、自分の言葉で話せるようにしておく方が、しっかりと事業や現状を代表者自身が把握していることが伝わり好印象です。
③受け答えは落ち着いて
面談の時間は十分に長く設定されているので、質問に即答しようと慌てる必要はありません。質問の意図をじっくりと考えた上で、要点だけを的確に返答しましょう。
④TPOに即した服装を
基本的なことではありますが、第一印象が与える影響は無視できません。
今は公庫の職員の方もノーネクタイであることが多いですが、あまりにルーズな服装は控えましょう。フォーマルな服装が最も無難です。カジュアルなセットアップやオフィスカジュアルでも清潔感があれば問題はないと思われます。
⑤代表者以外が同席する場合には…
代表取締役以外に、その他の取締役や認定支援機関となっている顧問税理士さん等が同席できる場合があります。同席者がいること自体は問題になりませんが、同席者ばかりが受け答えしていたり、代表者がまったく答えられないと、そもそも代表としての主体性や統率力があるのか、疑問視されてしまいます。
絶対に使ってはいけないNGフレーズ2選
以下のフレーズはかなりの悪印象を与えるのでお気をつけください。
いくらなら借りられますか?
融資をする側は、融資希望額に明確な根拠があるのかをチェックしています。
審査担当者は、創業の計画性を重要視しています。いくらでもいいからお金を借りたいように感じられるこのフレーズは、計画性がなく、経営者としての自覚が足りないことを自己申告することになりますので、使わないほうがいいです。
返済できない場合はどうなりますか?
公庫の新創業融資は代表者の連帯保証が付かない制度ですが、言うまでもなく返済しなくていいということではありません。「返済できない場合は・・・」という質問は「返す気がないのか?」と審査担当者に不信感を与える恐れがあります。
まとめ
公庫の融資担当者は、創業を増やそうという国の施策を反映すべく、できれば融資したいと考えていて、面談を含めた審査において「確実に事業を継続し、安定的に返済をしてくれそうか?」を推測しています。そんな担当者に「確実に返済してくれる人だ」という印象を担当者に与えられれば面談としては成功、ということでした。
そのために以下の5つの注意点について解説しました。
- 根拠と経験をベースに
- 提出書類の中身を語れるように
- 受け答えは落ち着いて
- TPOに即した服装を
- 代表者以外が同席する場合でも代表者が主体的に回答を
創業融資は一度失敗すると「一定期間は融資を受けられない」「次回以降の審査が厳しくなる」といったリスクが存在します。面談の進め方等、少しでも不安な点がございましたら、認定支援機関へご相談することをお勧めします。
また、創業融資の詳しい説明に関しては「創業融資の進め方ガイド【2022年最新保存版】」をご確認ください。
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