若林 哲平
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据置期間とは、元金返済の猶予期間のことです。
本記事では創業融資における据置期間の決め方や計算方法について解説しています。
据置期間を長くするメリットとデメリットなども解説していますので、据置期間の設定に悩んでいる方は参考にしてください。
日本政策金融公庫の新創業融資の進め方については「創業融資の進め方ガイド【2022年最新保存版】」で詳しく解説しています。
創業融資の据置期間とは?据置期間の決め方
創業融資を申し込む際に提出する借入申込書には、据置期間の記入欄があります。
本記事では日本政策金融公庫の創業融資を受ける際に必要な「据置期間」とは何なのか、据置期間の決め方や、据置期間を長く希望した場合のメリット・デメリットなどを解説しています。
創業融資の据置期間とは?
据置期間とは、元金の返済を待ってくれる(猶予の)期間です。
据置期間(すえおききかん) 元金返済が猶予され利息だけを払い込む期間のことをいいます。
引用元:用語集|日本政策金融公庫
据置期間中は利子だけを払えばよく、元金の返済をする必要がありません。
最長の据置期間は制度によって異なり、例えば新型コロナ融資の据置期間は5年が最長です。
借入申込書の据置期間を記入する欄に希望の据置期間を記載し、提出します。据置期間は融資申込者の財務状況や事業計画等を勘案して審査の上で決まります。
据置期間を設定した返済期間の計算方法
たとえば、日本政策金融公庫の新創業融資で据置期間を設定して借入をした場合、返済期間はどのように計算するのか?
例として以下のケースでの考え方と計算方法を解説します。
据置期間を6ヶ月設定した場合
- 借入金額:800万円
- 返済期間:7年(84カ月)
- 据置期間:6カ月
800万円 ÷(84回−6回)=800万円÷78回=102,500円/月
月々の返済金額は102,500円となります。
このように据置期間は返済回数から控除されます。
据置期間を設定しない場合
- 借入金額:800万円
- 返済期間:7年(84カ月)
- 据置期間:なし
600万円 ÷84回=95,000円/月
月々の返済金額は95,000円となります。
したがって、据置期間が長ければ長いほど返済回数は少なくなり、月々の返済負担は大きくなります。
創業融資の据置期間を長く希望するメリットとデメリット
据置期間を長く取ると資金繰りが楽なので、据置期間はできるだけ長くとったほうが良いようにも思われがちです。
しかし、実際には据置期間を長く希望するデメリットもありますので、注意が必要です。
▼メリット
創業融資の据置期間を長くすると「融資実行直後の資金繰りが楽になる」というメリットがあります。
元金の返済が不要なので、その分キャッシュが減らず、融資実行直後の資金繰りが楽になります。
▼デメリット
据置期間を長くすると以下のようなデメリットがあります。
- 返済能力を疑われる
- 返済負担が重くなる
- 次の融資が受けづらくなる
返済能力を疑われる
据置期間を長く希望すると「返済原資を確保するのに時間がかかる事業ではないか?」という疑問を持たれ、返済能力を疑われる恐れがあります。
返済負担が重くなる
据置期間を長くすると返済負担が重くなります。
前述したとおり据置期間の期間分だけ返済回数が減るので、返済開始した後の負担は重くなる点には注意が必要です。
次の融資が受けづらくなる
据置期間を長く設定すると、次の融資が受けづらくなります。
なぜかというと、次の融資を受ける際に重要になるのが、返済実績だからです。
一般的には1年以上の返済実績があると、次の融資の申込みがしやすいです。しかし、据置期間中は元金の返済がなく、返済実績とは捉えられないため、据置期間を長くとりすぎるとその分、次の融資が受けられるまで長い期間を要することになります。
最適な据置期間の決め方
制度上1年以上の据置期間を希望できるケースであっても、実務上は6ヶ月以内に着地することが一般的です。6ヶ月以内で希望することをおすすめします。
据置期間を置く場合でも、3〜6ヶ月以内で希望することをおすすめします。
融資は1回借りて終わりではなく、事業の進捗に応じて複数の制度や金融機関と繰り返しお付き合いをしていくことが重要になります。
ですので、一度の借入だけ条件がよければ、それで良いということではありません。
もし順調に売上が伸びた場合、創業融資を借り換えして事業をさらに成長させることができます。しかし、据置期間を長く置きすぎると、次の融資を後ろ倒しにしなければならないという事態が起こりえます。据置期間が成長にブレーキをかけてしまう恐れもありますので、注意が必要です。
早期に売上が立ち、黒字化が見込める事業であれば、据置期間は短め、または無しで設定し、できるだけ早く返済実績をつんで、次の融資に備えましょう。
逆に、先行投資があり、ある程度赤字期間があることを見込んでいる場合には、11ヶ月を超えない範囲で据置期間を長めに希望して良いでしょう。
返済計画の立て方に悩んだら
創業融資で重要なのは、下記の3つです。
・代表者が準備した自己資金
・代表者の経験
・事業計画
これらの総合評価で融資が決まりますが、上記3つのポイントによって据置期間を含む返済計画をどう立てるべきかが変わってきます。
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