若林 哲平
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今回はA-Co-Labo代表取締役・原田さんにお話をうかがいました。
研究知をシェアする「A-Co-Labo」
ー 本日は、A-Co-Laboの原田さんにお越しいただきました。原田さんよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ー 原田さん、自己紹介をお願いします。
大学時代は化学系の研究室に所属し、化学メーカーで半導体材料の研究開発のバックグラウンドがあります。出産でキャリアストップ、小さな子供がいる再就職の難しさや、これまでのバックグラウンドを生かす難しさを感じました。
さらに、大学に再び戻った時にアカデミアを取り巻く環境が自分が大学を卒業した時と全く変わっていないという課題にも直面しました。その中でも私たちが注目したのが、キャリア問題で、研究者のキャリアの選択肢を広げることができないか思いA-Co-Laboを立ち上げました。
ーありがとうございます。それでは、A-Co-Laboというサービスについて少し教えていただけますでしょうか?
A-Co-Laboは研究者の知識をシェアする研究知のシェアリングサービスです。
例えば専門性が高い課題を抱えていたり、問い合わせする工数を減らしたいと悩んでいる企業に対して、社会に挑戦してみたい登録研究者のナレッジをシェアするというサービスになっております。
ー そうすると、お客様としては専門性の高い知識だとか、専門性の高い調査や実験等が必要なプロジェクトを控えている人ということになるんですね?
そうですね。でも実際サービスを開始してみると研究開発の部門を持っていない企業からの問い合わせも多く、実はそういうところに悩んでいたのかと発見もあります。
例えば、製品のエビデンスとか、アイディアに対して専門家の意見を聞きたいだとか、製品の他の使い道の可能性を考えたい相談をいただいたり。
ー 結構色々なユースケースがありそうですね。
はい。企業の課題は粒度も違えば分野も違うので、企業の課題に応じたオーダーメイドのご案内をさせていただいてます。
スポットでのご依頼からプロジェクトチームを作ってほしいというような、短期間から中長期まであります。
短期だと、先端シーズを収集したいといったご依頼があげられます。それに対してA-Co-Laboが内容のアレンジを行い、パートナー研究者を集めてオンラインのイベントを企画しています。
中長期だと、技術アドバイザーとしてベンチャーに参画しているというようなのもあります。
ー ありがとうございます。そうすると、一旦きちんと企業の課題やニーズを聞いた上で必要に応じて並走したりだとか、研究者の方をアサインしたりという形でサポートされているのですね。
事前にヒアリングをしっかりして、本当に何を課題とされているのかきちんと精査した上でご提案をしています。
研究とビジネスの両軸でヒアリングする
私たちは元研究者ではあるんですけれども、全員社会経験があるという特徴があります。研究視点だけではなくてビジネス視点も兼ね揃えているため研究と社会、ビジネスや視座のズレを極力少なくなるようにサポートを心がけています。
ー ビジネスサイドがわかる方々が最初のヒアリングをやるところでバランスを保っているっていうんですね。
専門性が高ければ高いほど同じ日本語を喋っていても、日本語に聞こえない時ってあるじゃないですか。できるだけそういうコミュニケーションの引っ掛かりをなくし、お互いの考えがそれぞれに伝わるようにつなげるのが私たちがやるべきことだと思っています。研究者にポジティブなイメージを持って欲しいです。
ー どんな研究者の方がA-Co-Laboに登録していらっしゃるのでしょうか?
A-Co-Laboに登録している研究者は、これからを担う30代若手研究者が多く文理問わずご登録いただいてます。アカデミアだけではなく、企業や企業や大学から独立されてベンチャーを立ち上げたばかりの方や個人事業主として活躍されている研究者さんも多いです。
ー 結構幅広い人材が揃っていらっしゃるんですね。
A-Co-Labo独自の評価項目はありますが、私たちは研究職を広く定義していますね。
ー 例えばどういうご相談が寄せられているんですか?
研究開発部門や新規事業部門からの問い合わせが多く寄せられます。自社内でのアイデア創出に煮詰まっているとか、別軸からの意見が欲しいだとか。情報収集のコストの問題、ライトな実証をしたいなど。ざっくりとした課題から課題の明確なものまで私たちの方で一旦相談はできる状態をとっていますので、ライトな相談をしてみたいなという場合は、ぜひお問い合わせください。
ー これで結構相談のハードルは下がりましたね。
上手く研究者と関わりながら新しいものを一緒に作っていけたらいいなって思っています。
研究者が活躍できない現状に対する課題感
ー そもそもこの事業に着想したきっかけというか、経緯があればぜひ教えていただければと思います。
日本では特に博士号取得者が社会で活躍できる受け皿がまだまだ少ないということを強く感じていたことがきっかけですね。世の中はすごいスピードで変わっているのに時が止まったかのような社会というか、言葉を選ばずにいうとまだまだ閉じた閉鎖的な社会だと感じています。
知識の循環は社会と研究と両方の知が行き来することによって生まれると思っていて、その行き来が20年経っても実現していないところを見ると、別軸が間に入って循環を促す仕組みが必要だと考えたことがきっかけですね。
ー そうやってA-Co-Laboが入ることによって研究者とビジネスサイドをかき混ぜているんですね。
今までなかった研究者の姿をA-Co-Laboから生み出していければいいなと思います。
ー ありがとうございます。それがA-Co-Laboのビジョンと言いますか、研究者が研究を諦めない社会へっていうメッセージのところに繋がっていらっしゃるっていうことですね。
はい。
研究者のマッチングプラットフォームを目指す
ー ありがとうございます。そんなA-Co-Laboなんですけれども、今後の展望を教えていただけますでしょうか。
今は私たちが間に入る形ですが、独自の評価軸を入れたマッチングプラットフォームの作成を進めています。
ー マッチングプラットフォームに移行に発展していくんですね。そこを目指していて今後必要となるリソースがあれば教えていただきたいです。
研究者とのコラボレーションをしてみたいっていう企業担当者の方にお話を伺いたいですね。
ー では、ご興味あった企業の方はA-Co-Laboのリンクを記事下に貼っておきます。ぜひリンクから直接お問い合わせいただければという感じですね。
はい。ぜひお待ちしております。
ー 本日はA-Co-Laboの原田さんにお越しいただきました。原田さん、貴重なお話ありがとうございました。
原田久美子さんプロフィール
1980年島根県生まれ。鳥取大学大学院博士前期課程修了。修士(工学)。東京応化工業株式会社にて半導体用フォトレジストの開発に従事。その後横浜市理科支援員を経て、2016年から慶應義塾大学に所属、研究員としてドローンを用いたプロジェクト型学習の研究を行い、延べ700名の学生と未来を考える学びを創る。ライフテーマは「次世代へ学びを繋ぐ」こと。
▼研究者の知識をシェアする「A-Co-Labo」
https://www.a-co-labo.co.jp/
▼原田氏Twitter
https://twitter.com/MQlabo_nochico