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【起業家インタビュー】個人の信用をアップデート|オンライン完結型リファレンスチェックParame|岡野亮義さん

創業者インタビュー 【起業家インタビュー】個人の信用をアップデート|オンライン完結型リファレンスチェックParame|岡野亮義さん
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若林 哲平

株式会社INQ代表取締役CEO、行政書士法人INQ代表。 様々な領域のスタートアップの融資による資金調達(デットファイナンス)を支援。年間130件超10億以上の調達を支援するチームを統括。行政書士/認定支援機関。複数のスタートアップの社外CFOも務め、業界への理解が深く、デットだけでなくエクイティ両面の調達に明るく、対応がスムーズだとVCやエンジェル投資家からの信頼も厚い。趣味はキャンプと音楽。4児の父。

当社INQがこれまでに創業融資の支援をした起業家が、どのようなバックグラウンドを持って起業、資金調達に成功したのかをお届けしていく【起業家インタビュー】。
今回は株式会社Parameの代表・岡野さんにお話をうかがいました。

オンライン上でリファレンスチェックが完結する「Parame」

ー 起業家インタビュー、本日はParameの岡野さんの来ていただきました。よろしくお願いします。

株式会社Parameの代表の岡野と申します。よろしくお願いします。

ー 岡野さん、早速ですけれどもParameについて色々教えていただきたいと思います。まずどんな事業をされているのか教えていただけますでしょうか。

ParameはリファレンスチェックのSaaS、オンライン完結型のリファレンスチェックサービスです。 
企業が人を採用するときに、たとえば面接で、「営業実績ナンバーワンでした」って言っている候補者さんがいるとします。それって本当なのかなって思われるときもあるかもしれない。そういうときに、候補者さんの前職の同僚や上司の方に、「この方ってどんな働きぶりでしたか?」とか、「どんな性格でしたか?」みたいな問いに対する第三者評価を採用前に取得する手法をリファレンスチェックって言うんですけど、それを簡単にオンライン上で簡単に取得できますよっていうサービスを提供しています。

ー オンラインで完結するんですか?

そうですね。非常に簡単にリファレンスチェックができるようになっています。企業の人事さんが聞きたい質問を選んで、それを誰に回答してほしいかを設定して、ポチっとすると回答用のURLが発行されます。そのURLを候補者さんに渡して、候補者さんから回答者に渡して依頼頂くだけで、後はリファレンスが届くのを待つだけという仕組みになっています。

ー なるほど。実は弊社(INQ)が絶賛採用中なんですけど。もし弊社がParame を使わせていただくとした場合のフローを教えて頂けますか?

じゃあ、若林さんが面接する候補者さんを仮に「田中さん」としましょう。田中さんを採用しようか検討中に、まず若林さんが田中さんのことをよく知る元同僚や上司の方に聞きたい質問を選びます。たとえば、一緒に働くべき上での注意点とか、どんな性格の人と相性がいいですか?とか。質問を選んだら、次に誰に回答してほしいか、たとえば田中さんの前職の上司1名と同僚の方1名、合計2名分から回答をもらってきてほしいと設定して、ポチって「開始」を押すと候補者さんに渡すためのURLが発行されます。それを候補者さんに渡せば一旦人事さんの作業は終わりです。

その後、候補者さんにフローの案内と依頼用のURLが発行されるので、それで私の推薦書いてもらっていいですかみたいに候補者さんご本人から回答者に依頼してもらうみたいな仕組みになっています。

回答者の方が候補者の田中さんってこういう人ですってスマホから簡単に回答できて、書き終わると企業さん側の管理画面にほうにどんどんリファレンスデータが届いていくみたいな仕組みになっています。

ー ずるいこと考えちゃうんですけど、たとえば候補者の方が「自分でよしなに回答しちゃうとか、あるいは「お願い!めっちゃよく書いて!」みたいにお願いしちゃうってありえるのかなと思ったんですけど 。本人確認的な部分はどうやって担保するんですか?

そうですね、性悪説で考えると自分で自分の推薦を書いてしまうっていうのできちゃうと思うんですけど、最後に健康保険証や免許証などの本人確認書類を回答者さんには提出していただいています。しっかり本人確認の仕組みを実装しています。

ー 御社サービス以外にもリファレンスチェックサービスはあるかと思いますが、その中でも特に御社のParame Recruitの特徴や他と違う点はどのあたりにありますか?

最近この2〜3年くらいでオンライン型のリファレンスチェックのサービスはいくつかでてきていますが、Parame Recruitの一番の違いは、今まではリファレンスチェックで受けとったリファレンスデータは一回読んでその後あまり再活用されない一回限りの使い捨てのデータでした。選考後はあまり使われない。でもParame Recruitの場合には、取得したリファレンスデータが候補者さん側のアカウントにどんどんストックされていく形になっています。これが大きな特徴のひとつです。

一度受け取ったリファレンスデータを、違う会社を受ける機会に使うことができます。その候補者個人の信用の補完として、その候補者個人のアカウントにどんどん蓄積されていく仕組みになっていますね。

ー 個人に紐付いてリファレンスデータが貯まっていく仕組みになっているんですね。

候補者さんが転職活動をするぞってなったら、応募先の企業からリファレンスチェックお願いしますって言われる前に、自分でリファレンスを集めておいて応募のときに貯めたリファレンスデータを提出できるということもできるようになります。

ー なるほど!他にParame Recruitの特徴はなんかありますか?

そうですね、候補者さんの貯めたリファレンスデータを、業務委託や副業の案件に応募する際にも利用できる、言い換えると、一度もらったリファレンスデータを活用して業務委託や副業の案件にも応募できるサービスもβ版として創っています。

ー 本採用だけじゃなく、副業もとか業務委託契約においても使えるということですね。

そうですね。

ー 実際のParame Recruitのユースケースを教えてください。

ユースケースとしては何パターンかあります。
ひとつは、最終面接の一歩前の面接でリファレンスチェックをお願いして、届いたリファレンスデータをもとに最終面接するケースです。
「◯◯に関して◯◯というエピソードが書かれています。これについてちょっと詳しく教えて頂けますか?」というようにリファレンスデータを見ながら面接をするようなパターンです。

もうひとつは、もうちょっと後ろのフェーズで、採用オファーを出した後にリファレンスチェックを実施して、選考の見極めのためというより、オンボーディングのためにリファレンスチェックを活用するパターンです。
オファーを出した候補者さんのことを、現場の人は全く知らないので、入社後のパフォーマンスの最大化、最適化のためにオンボーディングのフローの一貫としてリファレンスデータを活用して頂くパターンです。

他にも、弊社パートナーの人事調査会社さんと連携してバックグラウンドチェックを行うケースもあります。たとえば変な形で名前が新聞に出てないかとか過去破産履歴がないかとか、そういう背景調査をオプションでできるようにしております。その経歴調査と一緒にリファレンスチェックをやっていただいているユースケースもあります。

ー 選考における判断材料としてリファレンスチェックを使う場合もあるし、採用を決めた後のオンボーディングの資料としてリファレンスデータを使うケースもあるんですね。

そうですね、結構リファレンスチェックってネガティブチェックみたいなイメージがあるはあるんですけど、オンボーディングとか、ポジティブな面も情報として取得できますので、そのような意味合いで使っていただいているお客様は結構多いです。

起業のきっかけは既存の評価軸への違和感

ー そもそも、なぜリファレンスチェックのサービスをやろうと思ったのでしょうか?岡野さんの起業のきっかけ是非教えてください。

Parameのミッションは「個人の信用をアップデート」です。僕が昔から新しい個人の信用指標をテクノロジーの力で作りたいみたいな思いがすごい強くて、それを実現するために起業しました。

たとえば、会って5分で初対面の人をある程度判断したいってなったら、これまではその人の学歴や過去の職歴などを見ざるを得なかったと思います。ですが、特に学歴などはだいぶ古い価値観ですので、もっとテクノロジーの力で新しい信用指標を作りたいという思いがずっと強かったです。

その入口として、ひとつの信用の蓄積手段としてリファレンスチェックを利用することにしました。

先程もお伝えしたんですけど、Parame Recruitの仕組みとして、企業の人事さんがリファレンスチェックをしていただくと、個人側にリファレンスデータが溜まっていくみたいな仕組みになっています。だからどんどんParameのアカウントにリファレンスデータを持っていいて、そのリファレンスデータが自分の信用として機能しますよと。初対面の人の経歴も見るけど、同じくらいParameにどれくらいの信用があるかも見ようよという世界観を作りたいと考えています。

ー 「個人の信用」に着目したきっかけというか、「個人の信用をアップデート」というミッションを掲げるに至ったきっかけはあるのでしょうか?

大きく2つあります。

僕自身が今年29歳なんですけど、大学を中退していまして。学生の当時、僕は大学にあまりちゃんと行ってなくて、なので大学内では「岡野ってバカなやつだよね」みたいな感じで見られていました。
一方、学外だと、学生の当時から色々仕事を受けてやっていたので「若いのにすごいね」みたいな評価を受けていました。
既存の学歴の範囲内みたいなところで評価されてしまうんじゃなくて、もっと自分がフェアに評価されるような信用指標がほしいと考えたことがきっかけでした。

もうひとつは、僕は大学時代に中高生にプログラミングの指導をしていたときのことです。教え子には中学生なのに市販できそうなゲームを作れる子もいて、でも学校の閉じたコミュニティではまったく評価されてなくて、内向的だったり、目立ってなかったりということがあって。
学校っていうコミュニティの中では特にゲーム開発能力という評価指標はないから評価されないんだろうなって考えました。既存の枠組みの中でも評価されきっていない人は一定数いるなっていうことをすごい感じまして、自分のこともあるし、そういう方たちのためにも新しい信用指標を作ればより幸せになるだろうなって、っていうのを強く昔から思っていたっていうのがあります。

ー 今注目されているESG投資の「S」の部分、ソーシャルの部分で、多様性がより強く求められていると感じます。岡野さんのおっしゃる従来の価値観での評価だけだとフェアに人の良さを測れないし、多様性も実現できないですよね。そういう意味で、時流にもマッチしたすごくいいミッションですよね。

ありがとうございます。 

最初の資金調達は日本政策金融公庫からの融資

ー「個人の信用をアップデート」というミッションを掲げるParameですが、これまでどんな資金調達の過をたどってきたのか教えていただけますか?

弊社は2020年月に創業しました。だいたい創業1年半くらいなんですけど、ファイナンスとしてはまず創業と同時に日本政策金融公庫さんから創業融資を受けております。

その後に1期目の終わりあたりの2020年の12月頃に、シードラウンド調達を数千万、VCさんとエンジェル方から行いました。

ー 最初に創業融資を受けるということは最初から決めてたんですか? 

そうですね、実はデットと同時にエクイティもする予定だったんですね。でも創業と同時にまさにコロナが上陸しまして。ちょうど4月に緊急事態宣言になって投資家の方々はちょっと一旦投資のペースを緩めるみたいな感じになり、資金調達が厳しそうみたいな空気を感じたんで、エクイティファイナンスは一旦後ろ倒しにするという意思決定をしました。

ー 創業間もなく結構ハードな状況でしたね。

創業一ヶ月目でコロナショックになっちゃったんで。

ー そう考えると創業して間もなく一旦公庫さんの創業融資を受けれておいて良かったとも言えますね。

それは非常に良かったなって思ってます。

ー リードはどちらのVCさんがとってらっしゃるんですか?

今だとリードはF Venturesさんにとっていただいていてご支援いただいています。

ー 今後の資金調達のご予定はありますか?

そうですね、2022年に次のラウンド、いわゆるシリーズAを予定しています。調達して更に本腰入れて事業規模拡大していきたいと動いている感じです。

採用だけに留まらない。Parameの描く未来

ー Parameとしての今後の展望を教えていただけますでしょうか?

我々Parameは「個人の信用アップデート」を掲げていますので、とにかく個人の信用レベルがどのくらいあるのかというデータを蓄積していきたいと思っています。そのファーストステップとして、リファレンスチェックがあるという位置付けです。

理想は、Parameに信用が貯まっていれば、就職するとき等の採用シーンでも役立ちますし、たとえば家とか車とか買う際のローンの与信にもなったり、または受験でも使えたり、もしくは結婚や恋愛といった人とのマッチング等、自分が生まれてから死ぬまでに自分が審査されるあらゆるシーンで汎用的に使える信用スコアに取り組んでいきたいと考えています。

中国だとアリババさんのグループ会社さんとかがやってる芝麻信用(ジーマ信用)のように、採用シーンのみならずいろんな場面で汎用的に使える信用スコアにビジョンとしては向かっていきたいと思っております。

そこに向かって、では具体的に直近ではどのようにサービスを展開していくかというと、企業さんがリファレンスチェックをしてくれればくれるほど個人側のほうにリファレンスっていう形で信用データが貯まっていくようにできれば、たとえば企業さんがParame内で募集を出せるとか、そもそもリファレンスを3名からもらってないと応募ができないとか、リファレンスチェックを受けた後、社内の360度評価でリファレンスを書き合って、入社前にもらったリファレンスに積み重ねたりして、更に入社後のパフォーマンスも自分の個人アカウントのほうに貯めていける、そんな世界観を実現したいと考えています。

このように、どんどんParameに貯まった信用を使えるシーンを増やしていきたいと考えています。

ー そんなParameがその展望に向かっていくときに必要としているリソースがあれば教えて下さい。

直近でいうと最近お問い合わせとかも増えているのでセールス、幅広い範囲で担ってくれるセールスのプロフェッショナルな方とか、カスタマーサクセスの方とか、あと我々プロダクトが強みの会社ですのでしっかりものづくりできるエンジニアの方とかはまさに採用に向けてお話したいですね。

ー もしご興味ある方はどちらに連絡すればよろしいですか?

僕のTwitterやFacebook、会社のサイトにお問い合わせください。ぜひぜひよろしくお願いします。

ー まずはDM頂いてまずはカジュアルにお話するという感じですか?

はい、まずはフランクに話させていただければ。

ー Parameの「個人の信用をアップデート」というミッションに共感してくれる方が集まってくれるといいですね。

最近は共感してくれて興味を持ってくださる方も増えてきているのでありがたいです。

ー 本日は岡野さん貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。

岡野亮義さんプロフィール

上智大学中退後に起業。その後アクセンチュアでデジタル領域の新規事業PoC/DXコンサルに従事。2020年2月より株式会社Parameを創業。エンジニア歴10年。

▼リファレンスチェックサービス「Parame Recruit」
https://parame.jp/recruit

▼岡野氏twitter
https://twitter.com/akiyoshi_okano

▼岡野氏Facebook
https://www.facebook.com/wonderful.win.a

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