若林 哲平
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学生起業のご相談が増えてきました。
マーク・ザッカーバーグ、孫正義、江副浩正、ホリエモン…………学生起業で成功している例は枚挙に暇がなく、多くの学生が憧れるところではないでしょうか。
学生起業であっても、ビジネスをする上では学生以外の起業と土俵は同じです。
起業家に覚悟と準備があれば融資による資金調達も可能で、実際に弊社でも学生起業の融資が成功した事例があります。
本記事では学生起業で日本政策金融公庫などの融資を申し込む場合に最低限気をつけるべきポイントをまとめました。
学生起業の創業融資
学生起業で創業融資を受けようと思った場合、以下の2つが主な選択肢として挙げられます。
- 日本政策金融公庫の新創業融資
- 各自治体の制度融資
日本政策金融公庫の新創業融資は創業2期以内に1,000万円を上限として利用できる融資制度です。新創業融資については「創業融資の進め方ガイド【2022年最新保存版】」にまとめています。
各自治体の制度融資は、自治体・金融機関・信用保証協会の連携による融資のことです。制度融資については「創業期でも受けやすい?制度融資の全体像と活用方法」で詳しく解説しています。
学生起業で日本政策金融公庫などの融資を受けるには?
日本政策金融公庫の新創業融資や、自治体の制度融資などを学生起業で受けるために気をつけるべきポイントは、以下の3点です。
- 生活費の支払いは自分名義にする
- 自己資金を準備する
- 自己資金や経験の不足を補うものを準備する
以下でそれぞれ詳しく解説します。
生活費の支払いは自分名義にする
学生起業で融資を受けるには、家賃や携帯料金などの生活費の支払いを自分名義で行いましょう。
日本政策金融公庫の初回の融資審査では**「諸支払いの確認」**というプロセスがあります。
「諸支払い」とは簡単にいうと、生活の実態のことです。
「諸支払いの確認」では、家賃や携帯料金などの支払いが自分の責任において、滞りなくなされているかをみることで、自分たちが貸したお金もきちんと責任もって返してくれるか?を確認します。
家賃や携帯料金が親の名義で支払われており、さらに仕送りをしてもらっているという学生の場合、諸支払い振りが確認できないてめ、その時点でアウトの可能性があります。
金融機関側の感覚的には起業より経済的自立が先、ということになります。
自己資金を準備する
学生起業であっても融資を受けるには自己資金が必要です。
金融機関は、自己資金の有無や金額で事業への本気度や準備状況(行き当たりばったりの起業でないか?)を見ます。
例えば100万円前後の自己資金が作れないようならば、稼ぐ力が乏しいと判断されるかも知れません。例えば親からの支援金の割合が大きいようであれば、他者に過度に依存した起業と判断されるかも知れません。
資本金も自己資金と評価できる場合があるので、学生起業でエクイティ調達が予定されている場合には、その後の方がよりよいタイミングである可能性もあります。
創業融資の自己資金要件については「自己資金はいくら必要?創業融資の自己資金要件と対策【保存版】」で詳しく解説しています。
自己資金や経験の不足を補うものを準備する
学生起業では自己資金や経験が不足しているケースが多いため、それらを補うものを準備しましょう。
特に創業融資においては、決算書等の評価材料が不足しています。そのため、金融機関は代表者の経験(職歴)を重要視する傾向にあるのです。起業する事業と関連した経験を積んでから起業した方が失敗の可能性が低い、という考え方です。
学生にとって、数ヶ月のインターンシップは大きな経験かもしれませんが、金融機関は十分な経験とは評価しません。
つまり学生起業の場合、社会人としての経験、事業の経験、自己資金も足りないことがほとんどなので、それらを補う何かが必要となります。
たとえば下記のようなものです。
- 売上(受託も可)
- 第三者からの出資(エンジェルやVCなどの評価)
- 代表以外のメンバーの経験(取締役に入っていることが望ましい)
- 一期を終える(確認事項が減り、要件が緩和される)
上記の中から複数のものが準備できれば、学生起業でも融資を受ける選択肢が生まれるでしょう。
自己資金不足をリカバーする方法については「自己資金なしでも融資を受けられるのか?」でも解説しています。
学生起業でも融資は受けられる
本記事では学生起業で融資を受ける際のポイントを解説しました。
学生起業も学生以外の起業もビジネスという土俵は同じです。
起業には覚悟と準備が必要になります。
本記事でお伝えしたように、学生起業で融資を受けるのは簡単ではありません。
しかし、早いうちにチャレンジする意味はあると思っています。意欲と潜在能力のある学生の起業に期待しています。