若林 哲平
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起業家が創業時に使える公的な融資制度は主に次の4つです。
- 日本政策金融公庫の新創業融資
- 日本政策金融公庫の経営力強化資金
- 都道府県の制度融資
- 区市町村の融資あっ旋
それぞれの制度に違いがあり、どの融資を選択したらいいのか、なかなか悩ましいところ。
そこで、創業融資の比較表を作ってみました。
日本政策金融公庫の新創業融資の進め方については「創業融資申請の進め方ガイド!必要書類や専門家に相談するメリット【2022年最新保存版】」で詳しく解説しています。
創業融資の特徴をまとめた比較表
冒頭で紹介した、代表的な4つの創業融資制度の特徴をまとめた比較です。
日本政策金融公庫 (新創業融資) |
日本政策金融公庫 (経営力強化資金) |
都道府県 制度融資 (東京都の場合) |
区市町村 融資あっ旋 |
|
---|---|---|---|---|
対象 | これから創業〜創業2期未満 | 市場の創出・開拓を行おうとし、 認定支援機関のサポートを受ける方 |
これから創業〜1期未満 | これから創業または創業〜1年未満 |
無担保 無保証枠 |
1,000万円 (支店決済額) |
2,000万円 | 自己資金+1,000万円 | 1,000〜1,500万円 (区市町村による) |
自己資金 要件 |
希望額の10分の1が必要 | なし | 希望額−1,000万円の自己資金が必要 | あることが多い |
面談回数 | 原則1回 | 原則1回 | 金融機関1回 保証協会1回 |
区市町村1回 金融機関1回 保証協会1回 (少なくとも) |
実行までの期間 | 1ヶ月前後 | 1ヶ月前後 | 1.5〜2ヶ月 | 2ヶ月強 |
担保保証人 | 原則不要 | 原則不要 | 原則不要 | 原則不要 |
代表者保証 | なし | なし | あり | あり |
利子 | 2.36%〜 ※1 |
2.06%~ ※2 |
〜2.5% | ※3 |
利子補給 | − | − | なし | あり (自己負担0.2%〜) |
信用保証料 | − | − | 0.45〜1.9% | 0.45〜1.9% |
信用保証料 補助 |
− | − | 2分の1 | あり (ない自治体もある) |
据置期間 | 実質的には 最大11ヶ月 |
実質的には 最大11ヶ月 |
12か月以内 | 12か月以内 |
融資対象となる支払い | これから支払うもの及びおよそ半年以内に支払ったもの | これから支払うもの及びおよそ半年以内に支払ったもの | これから支払うもの(過去に払ったものは対象外) | これから支払うもの(過去に払ったものは対象外) |
※0 2017-06-25時点の情報です。
※0 上表は一部抜粋です。詳しくは各制度のHPをご参照ください。
※1 無担保無保証の場合
※2 その他の制度の組み合わせにより金利のディスカウントあり
※3 自治体によって利子補給率が異なり、申込者の自己負担利率が異なります。
確実なのは日本政策金融公庫
最も起業家に理解があるのは、政府系金融機関である日本政策金融公庫です。
起業を促進しようという政府の方針を受けて、起業フェーズに積極的に融資をしています。
まずは日本政策金融公庫の融資を進めることをお勧めします。
公庫の融資を受けていること、それを返済していることが信用性を高め、他の融資制度を利用する場合に有利に働きます。
日本政策金融公庫からお金を借りる方法について、こちらの記事で解説しています。本記事とあわせてご覧ください。
国金(日本政策金融公庫)からの借り方とは?国金の融資の落とし穴と対策!
早いのも日本政策金融公庫
制度融資は、金融機関の他、信用保証協会が関わり、面談もありますので、日本政策金融公庫より時間がかかります。区市町村の融資あっせんは、さらに自治体の窓口も関わってきますので、さらに時間がかかります。
急ぐのであれば、日本政策金融公庫を先行して進めることをお勧めします。
日本政策金融公庫への申請から融資までにかかる期間について、こちらの記事で詳しくまとめています。申請の具体的なステップも解説して椅子ので、ぜひご覧ください。
経営力強化資金を使えば
日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金が結局のところ最も起業家に有利な制度です。
たとえば上表ですと、新創業融資は〜2.35%ですが、経営力強化資金なら〜1.85%です。仮に返済期間7年だとすると、約50万円の金利負担の差が生じます。
弊社は認定支援機関ですので、経営力強化資金のサポートが可能です。
日本政策金融公庫とも密接に連携し、起業家の創業融資を支援しています。
東京都の女性・若者・シニアなら!
東京都で創業5年未満の女性、若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)の方は、東京都の創業サポート事業という融資もあります。
該当する方はぜひご検討を。
まとめ
融資制度によって、支払ってしまったものは設備資金に算入できなかったり、金融機関から業者に対して直接支払いをしなければならなかったり、許認可がないと融資実行されなかったりetcと様々こまかい条件が異なります。
協調融資といって、上記の制度を複数組み合わせて利用する方法もあります。
どの制度をどのように使うかは慎重に選択すべきです。
どの融資をどのように利用すべきか迷っている方は創業融資に詳しい専門家(税理士・行政書士等)に相談してみるといいと思います。