若林 哲平
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日本政策金融公庫(以下、「公庫」)の創業融資を受ける際に、必ず確認をしておきたいのが「保証人」。
「公庫の融資は本当に保証人なしで受けられるの?」
「保証人の有無で何が変わるの?」
このようなご質問をよく頂きます。
本記事では、融資を検討しているみなさまが公庫における保証人の取り扱いについて理解できるよう、詳しく解説をしていきます。
融資の保証人とは?
金融機関から融資を受ける際には、担保を要求されるのが一般的です。その際に用いられるのが大まかに「物的担保」と「人的担保」の二つであり、「人的担保=保証人」です。保証人は債務者の返済が滞った際に、債務者に変わって返済する契約を金融機関と結ぶ人のことを指します。
保証人と連帯保証人
保証人には「保証人」と「連帯保証人」の2種類があります。
保証人は債務者に返済能力がなくなった時に初めて、返済義務を負うことになります。
そのため、次のような権利を有しています。
- 債務者が資産を有する場合、自身が支払いを行う前にその差し押さえを要求する権利
- 他の保証人と返済金額を分担できるよう求める権利
それに対し連帯保証人は、保証人自身が債務者と同様の返済義務を負うという契約です。そのため上記の保証人に認められている権利が一切なく、借金をした本人よりも先に自分の財産を差し押さえられてしまう可能性があります。
金融機関が連帯保証人を要求することが多いのは、債務者の支払い能力の有無にかかわらず、連帯保証人に対して請求ができるためです。
関連記事:信用保証協会・信用保証制度とは?制度の詳細やメリットについて詳しく解説!
よくある誤解「無保証人」の正しい意味
公庫の融資制度の説明によく「無担保・無保証人」と記載があります。
この「無保証人」という記載は、以前は経営者本人以外の第三者による保証が不要、という意味で使われていました。
しかし、「経営者本人以外の第三者」を保証人として求めることを原則禁止とする、国の方針が打ち出されました。そのため、政府系金融機関である公庫は経営者本人以外の第三者を保証人として原則受け付けません。
現在ではこの「無保証人」は、会社の借入に対して経営者個人が負う連帯保証が不要、という意味で使われています。
これからお伝えする、「保証人不要」とは、「経営者(代表者)自身が連帯保証人にならなくていい」ということ、つまりいわゆる経営者(代表者)保証が不要、ということを意味しています。
日本政策金融公庫(公庫)の融資は保証人不要
公庫の融資のうち、以下の2つの制度は保証人不要です。
- 新創業融資制度
- マル経融資
これから創業をする方や創業初期の方は「新創業融資制度」を、すでに創業から1期以上が経過している事業者で一定の条件を満たす場合には「マル経融資」を利用することができます。
これらの融資は保証人不要でも受けられますが、あえて代表者保証をつけることで、金利が0.1%低減される場合があります。
関連記事:新創業融資制度の3つの審査基準|その背景も合わせて徹底解説!
日本政策金融公庫(公庫)の融資内容が保証人の有無で変わる?
保証人不要でも融資を受けることはできますが、融資内容には少なからず影響が発生します。金利と審査の二つの観点からその詳細を解説します。
金利への影響
保証人がいない場合、保証人付き融資に比べて年利が0.5%ほど上昇します。
仮に1000万円の融資を5年で完済する場合、この金利差によって生じる利息総額は10万円ほどなので、利息負担は年間2万円程度の差です。
当然、高額な融資であるほど利息負担が膨らむので、融資金額に応じて保証人付き融資も検討すべきでしょう。
審査への影響
保証人がいるのとそうでない場合では、前者の方が信用が増すことは確かです。
「自己資金が少ない」「業界経験が乏しい」など、融資の審査に不安がある場合は、保証人をつけた上で公庫に申し込みすることをお勧めします。
関連記事:創業計画書の書き方は審査に影響する?提出前に確認すべきポイント3選
状況に合わせて保証人を付けるか検討する
公庫の融資は保証人がいなくても受けられる起業家にとって大きなメリットがあるものの、保証人をつけないことによって金利と審査に影響がでます。ご自身の状況に応じた最適なプランを選択することが大切です。
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