日本政策金融公庫の創業融資の面談で聞かれる9つの質問と模範解答

日本政策金融公庫の創業融資の面談で聞かれる9つの質問と模範解答
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若林 哲平

株式会社INQ代表取締役CEO、行政書士法人INQ代表。 様々な領域のスタートアップの融資による資金調達(デットファイナンス)を支援。年間130件超10億以上の調達を支援するチームを統括。行政書士/認定支援機関。複数のスタートアップの社外CFOも務め、業界への理解が深く、デットだけでなくエクイティ両面の調達に明るく、対応がスムーズだとVCやエンジェル投資家からの信頼も厚い。趣味はキャンプと音楽。4児の父。

この記事はスタートアップの創業融資を累計500件以上支援してきた認定支援機関のINQが、これから起業する方、創業融資を受ける方向けに作成しました。

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今回はスタートアップならではの論点も加えながら、日本政策金融公庫(以下、公庫)の創業融資の面談を想定して、解説していきます。

さて、今回の記事は公庫との面談の進め方についてです。
公庫との面談では事業計画書に沿って説明していきます。

面談に臨む心構え

担当者は貸したがっています

公庫は政府系金融機関として、国の「起業を増やそう」という方針を体現しようと、積極的に起業家を支援しています。もしも話に噛み合わない部分があったとしても、敵対心を持つのではなく、根気強く、理解者・協力者としてお話をする心構えで臨みましょう。

面談で伝えるべきこと

平易な言葉で

専門用語を多用せず、わかりやすい言葉で伝えましょう。分かりづらい事業であれば、説明しやすいものに置き換えます。

例)D2Cやっています。 → 通販事業をやっています。

根拠と経験をベースに

しっかり創業のための準備をし、事業成功の可能性があることの根拠が必要です。
思いつきではなく、経験や実績に基づく起業であることを伝えられると良いでしょう。

お金の管理能力

面談では過去半年分の通帳の確認や、公共料金等の諸支払いの確認があります。
無駄遣いがないこと、期日のある支払いをきちんとしていることが伝わり、お金にルーズではないという印象を持ってもらえると良いでしょう。少なくとも、お金の使いみちや支出した理由などを聞かれた際にネガティブなことも含めてはっきりと答えられるように把握をしておくことが大事です。

絶対に言ってはいけない・やってはいけないこと

「返済できない場合どうしたらいいのか?」は絶対言ってはいけません。
担当者からすると、返済能力に不信感を抱いてしまいます。事業計画書をもとに、きちんと返済をする前提で話を進めましょう。

基本的なところですが、見た目の第一印象も大事です。
最近は必ずしもスーツ+ネクタイである必要はありません。しかし、極力清潔感があり、事業に対する誠実感が伝わるような服装で臨みましょう。

回答準備必須の質問と模範回答

1.なぜ創業したのですか?

回答の指針

エモい動機や、事業に対する強い思いももちろん大事です。
ただ、原体験を延々と語ったり、創業間もないのに崇高すぎるミッションを語ることを好ましく思わない担当者もいるかもしれません。バランスが大事です。それらに加えて、自身の経験や実績に基づく起業であることを伝えられると良いでしょう。

回答例

飲食店に特化したマーケティング支援の会社を設立しました。
実家の両親が飲食店を経営していました。
大学卒業後は、マーケティング支援を提供する企業に就職し、様々な業種の事業者様をサポートしてきましたが、実家が飲食店ということもあり、特に飲食店を多く担当しました。
その中で飲食店の集客の課題について深く理解し、飲食店のネットワークもできました。いつか飲食店に関わる仕事ができないかと考えておりましたので、飲食店に特化したマーケティング支援する事業で創業しました。

原体験もあり、経験もあり、市場や課題がわかっている。飲食店とのネットワークもある。
金融機関の担当者も事業の成功可能性に現実味があると感じるはずです。
それに比べて「タピオカが流行っているから」という理由はどうでしょうか・・・?

2.創業者がこの事業に強みがあるのか?

回答指針

これから行う事業に必要十分なスキルセットやネットワークを、これまでの経歴から獲得してこれたのかを担当者としては知りたいところです。

回答例

WEB制作やマーケティング支援を提供する会社で6年以上勤務しました。就職当初はフロントエンドエンジニアとしてWEB制作を担当することが多かったですが、マーケティングの部署に異動し、顧客企業との窓口やチームのマネジメントも担当しました。制作からマーケティング、クライアントワークからチームのマネジメントまで一気通貫で経験できたことは良い経験でした。

3.主力となる商品、サービスはなにか?

回答指針

事業をシンプルに説明することが大事です。多くても3つぐらいに絞って説明しましょう。
説明のときはあまり一般的ではない横文字を多用せず、平易な日本語を使うように心がけましょう。

回答例

WEBサイトの裏側のコードを自動生成できるアプリケーションを開発しています。
企業に所属するWEBサイト制作者が日々を追われているコーディングという裏側のプログラミング業務を自動化できるサービスを提供しています。

上記の回答例では「コーディング」という言葉を、あえて「プログラミング」という言葉を使って丁寧に説明しています。厳密には正しい表現ではないかもしれませんが、わかりやすく伝える目的で言い換えをしています。

4.競合優位性は?

回答指針

既存の競合との優位性の説明が必要です。どんな業界のサービスで、すでにどのようなサービスがあるか、またそれらの事業者と比較して、相対的に自社サービスは顧客から見てどのような点が有意で優位なのか、必要に応じてポジショニングマップを用いるなどして説明し、自社サービスの違いを伝えましょう。

回答例

副業人材マッチングサービスを開発しています。
人材紹介サイトはたくさんありますが、自社では上場IT企業に勤務の高スキル人材のみを集めて、高難度の副業の仕事をこなしてもらう事業です。

5.どこで開業するのか?そこを選んだ理由は?(店舗系の場合)

回答指針

IT・インターネットビジネス等の場所を限定しない事業であれば聞かれませんが、飲食店等の店舗ビジネスであれば、場所(立地)も重要なポイントです。

回答例

以前、焼肉屋をしていた物件の居抜きを使います。駅に近い好立地の物件ですが空中階で居抜きですので、初期コストと家賃を多少抑えることができます。
調査の結果、周辺は比較的男性に好まれるボリュームを売りにした飲食店が多い傾向にありました。我々はよりヘルシーな「鳥の焼肉」という近隣他店とかぶらない領域で、清潔感があり、女性も入りやすいお店作りで差別化を図ります。

6.自己資金はどうやって貯めたのか?

回答指針

原則として、代表自身が蓄積してきた自己資金が対象となります。担当者としては、起業において重要な資金を自分の力で準備してきたのかを、自己資金の準備状況を通じて見ています。
具体的には、融資面談から過去半年分の通帳を見るというプロセスにおいて、自己資金の蓄積等を確認します。
また、担当者にとって大きな支払いや不明な入出金があった場合にその内容を質問されることがあります。一番良くないのは自分で自分のお金の使いみちが説明できないことです。提出する通帳は必ず見返しておき、入出金の内容についてきちんと説明ができるようにしておきましょう。

7.現状のキャッシュフローはどうなっているか?

回答指針

当然ながら、金融機関はちゃんと返してくれる人にだけ融資したいです。
事業計画や代表者本人の話しぶりから、本当にその事業が実現可能で、返済原資であるキャッシュを生み出すものなのか評価します。自分の事業ですから、細かくお金の流れを説明できるよう把握し、資金がショートせず、きちんと返済ができる計画であることを説明しましょう。

8.月々にどれくらいの売上を見込んでいるのか?その根拠は?

回答指針

金融機関の担当者は、足元の売上がちゃんと立つかどうかを見ています。
めやすとしては融資から3ヶ月前後、遅くとも半年前後で返済に必要十分な売上が立つ事業計画を作成し、かつ裏付けとなる契約書等のエビデンスを準備し、エビデンスに基づいて話ができることが望ましいです。

回答例

WEBサイトの制作受託から事業をスタートします。今月は2件受注し契約書が手元にあります。発注の意思表示があり来月契約書を締結できる案件があります。今月受注分と合わせて、再来月には入金ベースで黒字化する予定です。もう一社メールベースで前向きな回答を頂いている先がありますが、収支計画の売上高にはその見込み額は含んでおりません。

9.資金の使いみちは?(事業計画書との整合性)

回答指針

担当者は資金使途(お金の使いみち)を重要視します。
事業計画や代表者との面談から、以下を見極めようとします。

  • 企業にとって必要な支出なのか
  • その支出に売上や利益を伸ばす効果が見込めるのか
  • 申告通り(事業計画で示した通り)支出されるのか

回答例

新しいWEBサービスのホームページ(LP)を100万円かけて制作します。Googleの広告を月20万円で3ヶ月間運用し、サービスを宣伝していく予定です。これは資金計画表に書いてある通りです。
前職で類似サービスを取り扱っていた際の経験から、クリック単価は◯円、CVR(必要に応じて「商談化率」などと言い換える)は◯%、成約率は◯%でした。
Google側の広告の機械学習が進んだ2ヶ月目以降には、保守的に見ても、単価◯円の本サービスが月に◯件は契約が取れると見込んでおり、◯ヶ月後には黒字化できる見込みです。詳しくは収支計画書をご参照ください。

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