若林 哲平
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「融資もエクイティも使いにくい……でも資金は必要」——こうしたスタートアップの悩みを解決する第3の選択肢が「オルタナティブレンディング」です。
銀行融資でもなく、エクイティでもない。売上や売掛金などの「資産」を活用した資金調達の形が、スタートアップの資金繰りを支えつつあります。
1. オルタナティブレンディングとは何か
オルタナティブレンディング(Alternative Lending)とは、銀行融資に代わる(Alternative)新しい形の資金調達・資金繰り手法の総称です。
一般的に、従来の銀行融資が「黒字・実績・格付け」を前提とすることが多いのに対し、オルタナティブレンディングは「成長性・ランウェイ・将来のキャッシュフロー」等を根拠にした仕組みで資金を調達します。
銀行融資との根本的な違い
| 一般融資 | オルタナティブレンディング | |
|---|---|---|
| 審査基準 | 財務実績・返済余力・格付け | 成長性・キャッシュフロー・ランウェイ |
| 実行スピード | 1〜3ヶ月 | 数週間 |
| 対象企業 | 黒字・実績あり | 赤字スタートアップも対象に含まれる場合あり |
| 活用シーン | 設備投資・運転資金の確保 | ランウェイ確保・資金繰り最適化 |
2. 3つの手法例
3つの手法における特徴等を整理します。
手法①:RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)
仕組み:将来売上の一定割合を「いま」資金化する資金調達。
特徴:
- スピーディーな資金調達が可能
- 保証や担保不要
- 株式の希薄化なし
向いているケース:
- サブスクリプション型ビジネス等、将来の売り上げ予測が立てやすいビジネスモデル
- 事業の蓋然性が見え始めてきている中での、次のファイナンスのブリッジファイナンス
手法②:ファクタリング
仕組み:将来発生する売掛金(受取手形・請求書)を第三者(ファクタリング会社)に売却し、早期に現金化する手法。
特徴:
- 売掛金の入金サイト(例:請求から60日後)を待たずに現金化できる
- 融資ではなく「売却」なので負債として計上されない(オフバランス)
- 売掛先の信用力が審査基準になるため、自社の財務状況が良好でなくても使いやすい
向いているケース:
- BtoB取引が多く売掛金が積み上がっている
- 資金繰りのタイムラグ(キャッシュ不足)を解消したい
- 銀行融資の審査を通りにくい段階
注意点:
- コスト(手数料)が銀行融資より高い
- 二者間ファクタリング(売掛先に通知なし)と三者間ファクタリング(売掛先に通知あり)で条件が異なる
手法③:BNPL(Buy Now Pay Later)
仕組み:広告宣伝費・仕入れ費などを、任意の資金使途について、後から分割で支払う仕組み。
特徴:
- キャッシュアウトを先延ばしにしてキャッシュポジションを維持できる
- 売上が入ってきてから支払う構造となるため、「攻め」の投資と資金繰りの両立が可能
- 融資と比較して、審査が比較的スピーディーかつ柔軟
代表的なサービスとして、株式会社スマートプラスクレジットが提供する「BizGrowth(ビズグロース)」があります(後述)。
3. なぜ今オルタナティブレンディングが注目されるか
エクイティの冬の時代
2023〜2024年のエクイティ調達難化を受け、「エクイティ以外の手段で成長投資を賄う」ニーズが急増しました。
特に「プレシリーズA」と呼ばれるフェーズ——シードを終えたがシリーズAには早い段階——での資金ギャップを埋める手段として、オルタナティブレンディングが注目されています。
銀行融資が届かない場面での補完
創業初期・赤字段階・担保なし——こうした条件が重なると、銀行融資は難しくなります。しかしビジネスの成長機会は待ってくれません。
オルタナティブレンディングは、銀行融資が届きにくい局面で「攻めのための資金」を素早く調達できる手段として機能します。
ファイナンスミックスの一部として
エクイティ・銀行融資・オルタナティブレンディングを組み合わせることで、それぞれのコストと柔軟性を最適化できます。「何に使うか」によって手段を使い分けることが、ファイナンスミックス戦略の実践です。
4. スタートアップの「攻め」に使えるBNPLサービス例:BizGrowth
BizGrowth(ビズグロース)とは
株式会社スマートプラスクレジットが提供するビジネス向けBNPLサービスで、広告宣伝費・仕入れ費などの費用を分割後払いで支払えるサービスです。
具体的な使い方
広告投資への活用
「例:広告投資による売り上げ予測やユニットエコノミクスも最適になってきたので、広告にすぐ投資して、成長スピードを上げたい。でも手元資金が少ない」というケース。投資したい広告費の立て替えが可能。手数料含めた立て替え金額を分割で支払います。広告投資後、売上が立ち始めた後に支払う構造となりやすいため、資金繰りが楽になります。
商品の製造委託への活用
例えば、メーカー企業さまで、工場への商品の製造委託において「大量発注すれば製造原価を下げることができるけど、手元資金が少ない」ケース。小ロットで発注した場合と比べても、分割あと払いの手数料分も充分ペイすることが可能で、また、資金を新規施策にまわすことで、より事業成長加速の鍵に。
「攻めのツール」である理由
「お金がなくて困っているときの手段」ではなく、「確実にリターンが見込める投資を、キャッシュを使わずに実行する手段」です。
「今投資すれば○ヶ月後にX倍のリターンが得られる」という根拠があるケースで最も威力を発揮します。
※詳細・最新条件は、公式サービスサイトをご確認ください。
5. 向いているケース・向いていないケース
オルタナティブレンディングが向いているケース
✅ 銀行融資の審査を通りにくい段階(赤字期)
✅ 売掛金の入金まで時間がかかり資金繰りがタイト
✅ 確実なリターンが見込める投資を今すぐ実行したい
✅ スピードを重視する(銀行融資の審査を待てない)
✅ 株式の希薄化を避けたい
✅ 負債として計上したくない
向いていないケース
❌ 融資対比でコスト(手数料・金利)の高さが許容できない
❌ 月次売上が不安定で返済計画が立てにくい
❌ 成長予測による投資回収性の説明ができない
❌ 長期の大型投資(設備投資・R&D)→ 銀行融資が適している
6. まとめ
【オルタナティブレンディング3手法の比較】
RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)
→ 月次売上に連動した返済・希薄化なし
→ サブスクリプション型に向く
ファクタリング
→ 売掛金の早期現金化・オフバランス
→ BtoB売掛金が多い会社に向く
BNPL
→ 費用の分割後払いで「攻め」の投資を加速
→ 投資による売り上げ予測がつきやすい会社に向く
【使い方の基本】
→銀行融資対比でコストは高い傾向のため、成長性を高めたいタイミング
→「困ったときの救済」ではなく「攻めを加速させるツール」として使う
自社に最適なオルタナティブレンディングの活用戦略については、INQの無料相談でご支援しています。
この記事で参照したPodcastエピソード:
より詳しい解説はPodcastでお聴きいただけます。




