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創業融資に通る人・通らない人の違い|審査落ちの原因と攻略3ポイントを実例で解説

創業融資 創業融資に通る人・通らない人の違い|審査落ちの原因と攻略3ポイントを実例で解説
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若林 哲平

株式会社INQ代表取締役CEO、行政書士法人INQ代表。 様々な領域のスタートアップの融資による資金調達(デットファイナンス)を支援。年間130件超10億以上の調達を支援するチームを統括。行政書士/認定支援機関。複数のスタートアップの社外CFOも務め、業界への理解が深く、デットだけでなくエクイティ両面の調達に明るく、対応がスムーズだとVCやエンジェル投資家からの信頼も厚い。趣味はキャンプと音楽。4児の父。

「創業融資を申し込んだのに断られた」「何が原因かわからない」——INQには毎年こうした相談が数多く寄せられます。

審査落ちには当然理由があります。そしてその理由は、事前に対策できるものが多くあります。

この記事では、創業融資に通る人・通らない人の決定的な違いを、INQの実務経験をもとに「代表者の経験」「自己資金」「事業計画」「審査落ち後の対処」という4つの軸から解説します。


1. 創業融資の審査で何が見られているか

創業融資の審査は「過去の実績」で判断する通常融資と異なり、「これから事業を成功させられるか」を予測する評価です。実績がない分、以下の3要素の比重が大きくなります。

  • 人(経営者):この人は本当にこの事業を成功させられるか
  • 事業(計画):収益化の見通しが現実的に描けているか
  • 資金(自己資金):本気度と返済能力の担保があるか

2. 攻略ポイント①:代表者の経験と事業の関連性

なぜ経験が重視されるか

創業融資では財務実績の代わりに「経営者の経歴」が審査の中心に置かれます。金融機関は「この人がこの事業で稼げるか」を経験から判断します。

有利になる経歴のパターン

最も強いケース:業界直結の経験
同じ業種・職種で10年以上の実務経験がある場合、業界の課題を知り、顧客ネットワークもあり、成功の再現性が高いと評価されます。「前職で〇〇の経験を積み、業界の△△という課題を発見して独立した」というストーリーは強くなります。

次点:関連業種の経験
直接同じ業種でなくても、事業に活かせる経験があれば評価されます。たとえばITエンジニア出身でSaaS企業を立ち上げる場合、技術的な背景が事業の実現可能性の根拠になります。

注意が必要なケース:未経験分野での創業
まったく経験のない領域での創業は、審査のハードルが上がる傾向になります。この場合は、副業・勉強・業界での人脈形成など「準備してきた証拠」を具体的に示すことで補強します。

申込タイミングとキャリアの関係

「今すぐ独立したい」という想いに共感する一方で、創業融資の観点では、申込前にもう1〜2年業界経験を積むだけで通過率が変わるケースがあります。焦らず「審査に通りやすいキャリア」を積んでから動くことも戦略の一つです。


3. 攻略ポイント②:自己資金の水準と「見せ方」

自己資金は「本気度の証明」と「返済能力の担保」の両方として機能します。一般的な目安として融資希望額の10〜30%程度が閾値になります。

自己資金の詳しい考え方(VCからの出資との関係など)はこちらの記事で解説しています。ここでは審査落ちに直結するポイントだけ押さえておきます。

絶対NG:「見せ金」
審査直前に親族・知人から一時的に入金して通帳残高を増やす行為は、担当者にほぼ確実に見抜かれます。通帳の過去6ヶ月〜1年の入出金履歴を確認されるためです。見せ金が判明すると審査落ちだけでなく、信頼を失うリスクにつながります。


4. 攻略ポイント③:融資向けの事業計画書

VCは彼らのビジネスモデル上、スタートアップの「大きく成長する可能性」を評価しますが、金融機関が見るのは「確実に返済できるか」です。VC向けの計画書をそのまま提出することは審査において不利に働く可能性が大きいため、NGです。

事業計画書の書き方(構成・数字の立て方・NGパターン等)はこちらの記事で解説しています。創業融資の審査では特に「経営者の経験の具体的な記載」「数字の積み上げ根拠」の2点が重視されます。


5. 審査落ちしやすい5つの典型パターン

INQが実務で繰り返し見てきた、審査落ちの典型的な原因を整理します。

パターン① まったく未経験の領域ですぐ創業する

業界経験がゼロの状態での申込は、審査のハードルが大幅に上がります。「この人はなぜ成功できると言えるのか」という問いに答えられないためです。副業・勉強・業界人脈の構築など、準備の足跡を示すことで補強します。

パターン② 個人信用情報に問題がある

代表者の個人信用情報(クレジットカードの延滞・ローン未払い・債務整理など)は必ず調査されます。過去に問題があった場合、その事実は消えませんが、「現在は解消済み」「返済状況が改善している」ことを示すことで評価を補完できる場合があります。

申込前に自分の信用情報を確認しておくことを強くおすすめします(CICやJICCで個人での照会が可能)。

パターン③ 自己資金がほとんどない

自己資金ゼロや極端に少ない場合、本気度の証明ができず審査が通りません。目安・対策の詳細はこちらの記事を参照してください。

パターン④ VC向けの事業計画書をそのまま提出する

評価軸が根本的に異なります。「市場規模が大きい」「高成長を目指す」というVC向けの訴求は、金融機関には「返済できない可能性が高い計画」として受け取られます。書き方の詳細はこちらの記事を参照してください。

パターン⑤ 融資申込金額と資金使途の整合性が合わない

「多く借りれば後が楽」という発想のみで過大な金額を申し込むと、「この金額は本当に返済できるのか」という疑問を生みます。

資金使途の根拠となる具体的な積み上げ(設備費・採用費・運転資金の内訳)を示し、その金額が必要な理由を説明できることが重要です。


6. 審査落ちしてしまったら

審査落ちの記録は残る

融資審査に落ちた記録は、信用保証協会のデータベースに一定期間残ります。同じ制度への短期間での再申込は、「なぜまた来たのか」という疑問を生み、審査に不利に働きます。

審査落ち後の対処法

① 理由を把握する
担当者に「審査が通らなかった理由」を確認します。すべてを開示してもらえるわけではありませんが、改善すべき方向性のヒントを得られる場合があります。

② 改善できる点を洗い出す
自己資金・事業計画・信用情報・財務内容のどこに問題があったかを分析し、改善期間を設けます。

③ 別の制度・別の金融機関にアプローチする
他にも創業期に活用できる公的制度はあります。条件を整えた上で別のルートを検討します。

④ 専門家に相談する
専門家に相談することで、自分では気づかない問題点と改善策を把握した上で、次の最適なタイミングで融資確度を高められかもしれません。


7. まとめ:通る人と通らない人の差

【審査を通過しやすい人の特徴】
✅ 事業と直結した業界経験がある
✅ 自己資金が融資希望額の10〜30%以上ある
✅ 個人信用情報に問題がない
✅ 融資向けの事業計画書(返済原資を中心に設計)を用意している
✅ 資金使途が具体的な内訳で説明できる
✅ 経営者自身が数字を把握している

【審査落ちしやすい人の特徴】
❌ 未経験領域でのすぐの創業、準備の証拠がない
❌ 自己資金がほとんどない(または見せ金)
❌ VC向けの計画書をそのまま提出
❌ 融資希望額の根拠が曖昧
❌ 個人信用情報に未解決の問題がある

創業融資は「準備した人が通る」審査です。「いつか申し込もう」と思っているなら、今日からできる準備を始めることをおすすめします。

INQの無料相談では、現在の状況を踏まえた融資申込の可否判断、最適なタイミングと改善に向けた具体的なアドバイスを提供しています。


この記事で参照したPodcastエピソード:

より詳しい解説はPodcastでお聴きいただけます。

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